パスとは「ファイルがどこに保存されているか?を示す場所」のことです。 ホームページビルダーでリンクを設定するためには 「リンク先のページがどこに保存されているか?」を指定しなければなりません。
つまり、「ページが保存されている場所」が分からなければ、リンクを設定できないのです。 そして「場所を指定するための情報」が「パス」です。ですから、リンクを設定するときには 「リンク先のパス」を正しく指定する必要があるのです。 上図の例では /abc/index.html が「ページが保存されている場所」つまり「パス」です。 さて、パスのしくみ、意味を理解するにあたり、 まずはパソコンにおける「パス」の一般的な考え方、概念について 整理しておきましょう。
ホームページを構成する「ページ」は「電子ファイル」です。電子ファイルは パソコンのハードディスク(たとえばCドライブなど)に保存されています。 パソコンでは、いろんな電子ファイル (ワードのファイル、エクセルのファイル、テキストファイル、など) を作ることができます。作った電子ファイルは、 ハードディスク上の好きな場所に保存できます。
その他、デスクトップに保存することもできますし、または C:\マイドキュメント の中に保存することもできます。
ですが、パソコンの世界では、ファイルの保存先を決めるにあたり、 いくつかのルールを守らなければなりません。 そのルールの1つに 「同じファイル名のファイルを、同じ場所に保存することはできない」 というのがあります。
たとえば、あなたがエクセルで「報告書.xls」というファイルを作ったとします。 そして「報告書.xls」をデスクトップに保存しました。 デスクトップに保存すると、アイコンが表示される この状態で、さらに新しく、同じ名前の「報告書.xls」を新規作成して デスクトップに保存しようとしても、保存できません。 なぜなら、同じファイル名のファイルは、同じ場所に2つ以上保存できないからです。 同じ名前のファイルを2つ以上保存することはできない もし強引に保存しようとすると、上書き保存されてしまいます。 上書き保存をすると、古いファイル(もともとあったファイル)は 消えてしまいます。 では、「異なる名前のフォルダ」を2つ作って、 それぞれのフォルダに 報告書.xls を保存する という場合はどうでしょうか?
具体的に考えてみます。まず、デスクトップ上に 「山田」という名前のフォルダと 「鈴木」という名前のフォルダを作ります。 フォルダを2つ作る。名前は「山田」と「鈴木」 そして、それぞれのフォルダに「報告書.xls」を保存します。 こうすれば、同じ名前のファイル名でも、 2つ同時に、別々に保存することができます。 フォルダを分ければ、同じ名前のファイルでも保存できる。
山田さんの報告書と、鈴木さんの報告書とでは、 ファイル名は同じですが、内容も同じだとは限りません。 ですから、あなたが自分のパソコンから「報告書」を探すときには、 「誰の報告書なのか?」を区別しなければなりません。 このとき、パソコンは「保存されている場所の違い」で、ファイルを区別するのです。 なお、パソコンにおけるファイルの保存場所を示すときには、次のような表記をします。
/デスクトップ/山田/報告書.xls
/デスクトップ/鈴木/報告書.xls
ここで、 / は \ とも書いたりします。どちらも意味は同じです。「フォルダの区切り目」を示す記号です。 Windowsでは通常 \ が使われます。しかし、インターネットの世界(ホームページ作成)においては、 \ ではなく / を使うのが原則ですので、ホームページビルダーでフォルダの区切り目を指定するときは、 必ず \ ではなく / を使ってください。 さて、このとき
/デスクトップ/山田/ の部分が「パス」になり 報告書.xls の部分が「ファイル名」になります。 つまり、1つのファイルを特定するためには、 「パス」と「ファイル名」の両方を正しく指定しなければなりません。 この原則は、パソコンの世界でも、インターネットの世界でも、まったく同じです。
ところで、インターネットの世界では、ファイル名やフォルダ名に日本語が使われることはありません。 必ず半角英数で指定しなければなりません。ですから、 山田 ではなく yamada のように名前を付けます。 これは、パソコンの世界と、インターネットの世界との、大きな違いの1つです。 パソコンは個人が使うものですが、インターネットは世界中の人が共同で使うものです。 当然、外国人も使うわけですから、日本語のファイル名やフォルダ名だと都合が悪くなるのです。 そして、ホームページのファイル名には、よく index.html が使われます。 日本中、世界中のホームページ制作担当者は、必ずと言っていいほど、 ページのファイル名に index.html を付けています。 これは、ホームページ作成の世界基準として 『トップページ(ホームページアドレスを入力して一番最初に表示されるページ)には index.html という名前を付ける』 というルールが決められているからです。 そのため、インターネット上には、無数の index.html が保存されています。しかし、 それでも、他の人が作った index.html 同士が混じり合わないのは「パスが異なる」からです。 つまり「保存されているフォルダが異なるから、混同せずに区別できる」というわけです。
●パソコンの世界(自分が使っているパソコンのローカルディスクの世界) /デスクトップ/山田/報告書.xls /デスクトップ/鈴木/報告書.xls 日本語でフォルダ名やファイル名を付けても、とくに問題は無い。 ●インターネットの世界(世界中に広がっている通信ネットワークの世界) /desktop/yamada/index.html /desktop/suzuki/index.html フォルダ名やファイル名は、必ず半角英数で付けなければならない。 フォルダを開いたときに最初に表示させたいページには index.html という名前を付けるのがルール。
さて、インターネットの世界で「リンクを設定する」ことを考えてみます。 単に「index.html にリンクする」と言っても、「いったいどこの(どこにある)index.html に リンクを貼るのか?」を判断できません。ですから、ファイル名(index.html)だけではなく パス(/desktop/yamada)も同時に指定しなければなりません。 /desktop/yamada/index.html にリンクするのと /desktop/suzuki/index.html にリンクするのとでは、 意味がぜんぜん違うのです。これが、リンクにおける「パス」の意味です。 「パス」を指定しなければ、ファイルを特定できないので、リンクできないのです。 当然、ホームページビルダーでリンクを設定する場合も、きちんと「パス」+「ファイル名」 を入力しなければなりません。 ホームページビルダーでリンクを設定するときには、 リンク挿入ボタン を使います。 これを押すと、次のような画面が表示されます。 ホームページビルダーを使うと、簡単に「リンク先のファイル」を設定できます。 ですが、この画面には「ファイル名」と書かれているので、初心者の方は 「ファイル名だけを入力すればいいのか?」と勘違いしてしまうのです。 リンク先のファイルを特定するためには、パスを設定しなければダメです。 前述の「山田」と「鈴木」を例にすると、以下のように、パス名をきちんと 入力しなければ、2つの index.html ファイルを区別できないのです。 山田の index.html にリンクする 鈴木の index.html にリンクする 以上のように、ホームページビルダーには「リンクを簡単に設定するための便利な機能」があります。 しかし、それを使いこなすためには、リンクの概念、基本的な考え方である「パス」について、 きちんと理解しておく必要があるのです。
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