08. その客を連れて来るのに、いくら必要なのか? |
そのアクセス、一件いくらですか? 前回、電子商取引には、BtoC と BtoB があり、 BtoB市場のほうが圧倒的に大きい という話をしたが、それでも「BtoCをやりたい」とか、あるいは 「既にBtoCをやっているので、その売り上げを上げたい」 という人もいるだろう。 なので、今回は、 「BtoCにおける顧客獲得コスト」 について考えてみようと思う。 顧客獲得コストとは、 1人のお客を連れて来るのに、 いくらのお金がかかっているか? である。 この視点でコストを計算し、 より効果的な販促活動を行なわなければ、 いつまでたっても儲からない。 これはインターネットショップに限らず、 あらゆる商売の常識である。 あなたは、 「インターネットなら、何もしなくても、勝手にお客が集まってくる!」 なんて甘い考えは、とっくの昔に捨てていると思うが、 もし、まだそんな甘い考えを持っているなら、 もう一度、このサイトの記事を全部読み直して欲しい。 インターネットにおける三大販促メソッドは、 1.検索エンジン 2.掲示板(ブログ含む) 3.メルマガ である。そして、販促には、お金がかかる。 「自分で検索エンジンに登録申請すればタダじゃん!」 「自力で掲示板に書き込みすれば無料じゃん!」 って? たしかにそうだが、 あなたは、国内だけで数百以上ある全ての検索エンジンに、 全部自力で登録申請するのかい? 検索エンジンはYahoo!だけではない。 掲示板なんて腐るほど溢れている。 自力でカキコミしてたらキリが無い。 「そんな暇があったら、もっと他にやるべきことがあるんじゃないか?」 だから、ほとんどの人は、ホームページ宣伝代行業者を利用する。 価格も手ごろな値段から始められる。(ただし、安いものは、効果も低い) じゃあ、例えば、 5万円の費用をかけて、 ・検索エンジン600社、登録代行サービス ・掲示板300個所、書き込み代行サービス ・総配信数10万部、メルマガ広告代行サービス を利用したとする。 で、その結果、 あなたのホームページへのアクセス数が、 100アクセス/1日 増えたとする。 そして、その効果が1週間続いたとしよう。 100アクセスのうち、実際に商品注文フォームをクリックするのは5人。 その中で、実際に商品を購入するのが1人だとすると、 100人中1人の割合で購入することになる。 つまり購入率は1%である。 1日あたり100アクセス増えて、それが7日間続くのだから、 合計で700アクセス稼いだことになるが、 購入率が1%だから、実際に買うのは7人である。 つまり、 「5万円の宣伝費で、7人の客を集めることができた」 のだから、 1人の客を連れて来るのに7142円かかっている ということになる。これが「顧客獲得コスト」だ。 この視点で宣伝コストを算出しなければならない。 だから、宣伝して、 「アクセスが増えたぞ!やったー嬉しいなぁ・・・」 で満足してはいけない。 それよりも、 「商品がいくつ売れたのか?」 を算出しなければならない。 データ化して目に見えるようにしなければならない。 たとえ1万アクセス集めたとしても、10万アクセス集めたとしても、 もし商品が1つも売れなければ、その販促活動は「失敗」である。 あなたは、アクセス数が欲しいのか? 本当に欲しいのは、アクセス数よりも「売り上げ」でしょ? ちなみに、一般の新聞広告や折込チラシなどは、 顧客獲得コストの相場は 8,000〜15,000円程度と言われている。 そしてもっと大切なことがある。 「その客が買った商品の粗利はいくらか?」 である。 先ほどの例では、顧客獲得コストは 7142円 であるから、 少なくとも、一人の客から 7142円以上の粗利を出さなければ赤字だ。 で、あなたが売っている商品が一万円だとして、 その原価が3000円だとしたら、その商品が1つ売れたら、粗利は7000円。 でも実際には、送料やホームページ維持費(通信費やプロバイダ料金)が かかっているのだから、儲けはもっと少なくなる。 このように、具体的に数値化してみると、 「この宣伝は成功だったのか?失敗だったのか?」 が客観的に分析できるようになる。 なのに、ほとんどの人は、この分析をやろうとしない。面倒だからだ。 で、せっかく5万円も出して宣伝活動したのに、 「ダメだった。。。けど5万円ぐらいならいいや。」 って諦めてしまう。 でも、私から言わせれば、 5万円の宣伝費をドブに捨てる奴は、いずれ、 500万円の宣伝費をドブに捨て、 やがて5億の宣伝費をドブに捨てる のである。 1万円を100万円に増やせない奴が、 1億円を100億円に増やせるわけがない。 こんな言葉もある。 金がないから何も出来ないという人間は、 金があっても何も出来ない人間である。 そして、 「5万円ぐらいならいいや。」 という奴に限って、 「もっと宣伝費をかけて、たくさん宣伝しないとダメだ!」 とか安直に考えるのだ。 で、高級バナー広告や、豪華なFLASH広告に数十万円のコストを投入する。 宣伝代行業者や広告代理店の思うツボだ。 たくさん宣伝費を使ってくれる人はカモだからね。 大事なのは宣伝の規模ではない。 反応率である。 だから、まずは安い金額から初めて、 「広告の反応率をいかに高めるか」 に集中するのだ。 そのために必要なのは、お金なんかじゃない。 分析力だ。データ化して、顧客獲得コストを算出して、 客観的に、かつ冷静に判断する力だ。 その力を鍛えることが、経営者としての使命だ。 ネットショップオーナーに必要とされるスキルなのだ。 そして、いずれ気付くことになる。 ・ゴミのような自己満足ページ or ・見やすく、使いやすく、面白くて素晴らしいページ このどちらのホームページであろうと、 宣伝に必要なお金は同じ。 ようするにURLをばら撒くだけなのだから。 だったら、 「宣伝費を使うだけの価値のあるページに仕上げてから、 宣伝費を使ったほうが、良い結果が得られるのではないか?」 と思うでしょ? もし、あなたのサイトが、 ・ アクセス数は多いのに、商品が売れない のならば、 → 宣伝は成功しているが、サイトが失敗している。 と考え、サイトの構成やキャッチコピー、文面を再検討するべきだ。 逆に、 ・アクセスは少ないのだが、商品はそこそこ売れている のならば、 → サイトは完璧だが、宣伝が失敗している と考え、もっとたくさんのアクセスが稼げる宣伝媒体を探すべきだろう。 ネットショップにおける、商品の売り上げは、 サイトの完成度 × 宣伝力 で決まる。 例えば、あなたが10のエネルギー(金銭的または時間的)を持っているとして、 ・サイトの完成度:8 ・宣伝力:2 だとしたら、商品の売り上げは、8×2=16にしかならない。 そのような場合は、サイトの更新に使うエネルギーを減らして、 その分を、宣伝力の向上に費やしてみよう。すると、 ・サイトの完成度:7 ・宣伝力:3 になって、商品の売り上げが、7×3=21にアップするのだ。 最終的な目標としては、5×5=25のバランスを保ちながら、 50×50 → 500×500 のように、少しずつ投資額を大きくしていく のが理想だ。 間違っても、いきなりサイト制作に大金をつぎ込んで、500×0=0になったり、 逆に、ショボいサイトに大規模な宣伝費を投入して、0×500=0になるような ミスだけは、絶対に避けなければならない。 そして、宣伝力を鍛えるためには、 ・いかに反応率(宣伝効果)の高い媒体を、早く見つけ出すか? がとても重要である。 そのためには、宣伝効果を徹底的に調査し、数値化して、 客観的なデータとして分析するしか無い。 それを繰り返すことで、 ・この宣伝に、これだけの予算を投入すれば、これだけの商品が売れる! という予測が立つようになる。 「宣伝」とは「投資」である。いかに高い利回りで回収できるか? を知りたければ、その宣伝媒体の効果を徹底的に調べるしかない。 もしあなたが、「宣伝効果を調べている暇なんて無い!」と言うのならば、 「あなたが売りたい商品の類似商品(他社のライバル商品)が、 どのような広告媒体を繰り返し使っているか?を調べ、それを真似する」 だけでも、ただ闇雲に宣伝するよりは、よほど的中率は高いはずだ。 他社が繰り返し使っていると言うことは、効果があるから使っているわけで、 そこに同じような広告を載せれば、ほぼ同じ結果が予測できるはずだ。 そのような意味でも、同業他社の調査は非常に重要である。 成功のポイント : 宣伝は投資である。投資対象は慎重に選べ! |
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