07. 完成品を見たい気持ちを常に抑えろ! |
間取り図も書かずに大工を呼ぶのか!? 私はソフトウェアの設計開発業務を5年以上やっているが、 新人や初心者が陥りやすい間違いとして、 「いきなりコーディングをやりたがる」 というケースがある。 コーディングとは、 メモ帳や秀丸などのエディッタを使って、 文字やプログラムを書くという作業である。 ようするに、HTMLでホームページを書くという作業は コーディング(エディット)である。 ホームページビルダーを使う場合も同じだ。 一般の人は、ソフトウェア開発と聞けば、 「C++やJavaなどのコンピュータ言語をエディットする人」 「プログラムを組む人」 というイメージからだろうか、 「とりあえず何か作ってみよう」 と先走りたがる。 何をどうやって作るかも決めずに、 とりあえずプログラムを書こうとするのだ。 しかし、 実際のソフトウェア開発スケジュールにおいては、 このいわゆる「コーディング(エディット)作業」は、 開発期間全体の20%程度しか時間を費やさない のが常識である。100時間で開発するソフトなら、 そのうちコーディングに費やす時間は、せいぜい20時間程度ということだ。 では、最も多く時間を費やされるのは何なのか? それは「設計」である。そして「テスト(動作確認)」である。 つまり、設計とテストで、残りの80時間を使っていることになる。 ホームページの設計は、家を建てる時の設計図と同じだ。 家を作る時、 ・ 広さ、間取り、図面を書く ・ 材質、価格、色、耐久性 ・ ベランダは?窓は?階段は?屋上は? などなど、多くの検討項目があり、 それらを整理しながら設計図を書く。 設計図が無いのに、いきなり大工を呼んでも家は作れないし、 出来上がってから「やっぱりエレベーターなんか要らなかった!」 と言っても手遅れだ。 ホームページはHTMLさえ書ければ誰でも作れる。 そして「とりあえず早く完成品が見たい」という欲求から、 コーディングして、表示させて、また直して、また表示させて・・・ というパターンに陥ってしまう。作りながらデザインや構図を考えているのだ。 でも大工がノコギリで切りながら、 「やっぱりサクラよりヒノキのほうが良かったかなぁ・・・?」 などと考えるわけは無い。すべて決めてから作業に取り掛かるべきだ。 だから、ホームページを作り始める前に、 ちゃんと設計図を作らなければならない。 手書きでもワードでもエクセルでもペイントでも何でもいい。(エクセルがお奨め) 画面イメージ、リンク構成、画像、配色、文言、ディレクトリ構成・・・ これらを決めてから作り始めないと、結局後で作り直すことになるのだ。 何千万円もかけて作ったばかりの新築を、 すぐ取り壊して作り直すのがいかに馬鹿げているか? ホームページも同じことだ。自分で作るならまだしも、 外部委託する場合は取り返しのつかない損害になる。 ちなみにソフトウェア開発における「テスト」とは、 そのソフトウェアが仕様どおりに正しく動作するか? を確認する作業だ。 つまり、実際に動かして使ってみるということだ。 ホームページの場合は、 ・ リンク切れは無いか? ・ 画像は全て正しく表示されるか? ・ フォームから入力したデータが正しくメールで送られてくるか? などを、使う側の立場で検証することが大切だが、 ホームページを作り直せばテストも全部やり直さなければならない。 つまり、いかに初期段階での設計が重要かがお分かりいただけると思う。 ホームページはソフトウェアである。 だから、正しいソフトウェア設計の手法に基づいて構築しなければならない。 成功のポイント : 設計無き製造は有り得ないことを認識せよ! 続き → 08. サーバーは最後の最後に借りろ! |
メール会員登録(無料) ひと儲けドットコムの更新情報を無料でお知らせしています。いつでも解除できます。 |
ホーム > はじめに > このページのトップへ
Copyright (C) 2004 ひと儲けドットコム All Rights Reserved. お問合わせ | サイトマップ