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■ 会社はノウハウの宝庫。視点の違いが、情報の見え方を変える。
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⇒【前号までのあらすじ】サラリーマンが自由に休みを取れない本
当の理由は、仕事量などの物理的な問題ではなくて、本人の精神的
な問題である。遠慮せずに、仕事を任せる勇気も必要。
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●こんにちは。ひと儲けドットコムの大和です。最近、書店に行く
と、いわゆる『起業・独立するための本』とか『1円で会社を作る
方法』みたいな本が、溢れていますよね?
●その他、ビジネス書、自己啓発系の本、雑誌などからも『これか
らの時代は、起業・独立こそ勝ち組への道だ! サラリーマンは負
け組だ!』みたいは雰囲気が感じ取れます。
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●しかし、私自身、週末起業を始めてみて『本当に、会社を辞めて
起業・独立することだけが、幸せな人生なのか?』という問題につ
いて、真剣に考えるようになりました。
●その理由は『会社の中で、今まで見えていなかったものが、見え
てくるようになったから』でした。それまでの自分の視野が、いか
に狭かったか? ということに気づいたのです。
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●私は、起業・独立する人には、2つのタイプがあると考えていま
す。1つは『絶対に実現させたい夢がある。でも、それをやるため
には、どうしても会社を辞めなければならない』というタイプ。
●そして、もう1つは『今の会社が大嫌い。上司も大嫌い。だから
一日でも早く辞めたい。そうだ! 起業・独立すればいい! そうし
て、大儲けして、あいつらを見返してやる!』というタイプ。
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●まず「あなたが絶対に実現させたい夢は何ですか?」という質問
に、明確に答えられる人が、どれほどいるか? これこそが、最も難
しい問題なのです。株式会社の作り方を覚えるよりも、ずっと難しい。
●私は、それが見つかるまでは、慌てて会社を辞める必要は無いと
考えています。5年かかる人もいるし、10年かかる人もいるでし
ょう。会社を卒業する時期は、自分で決めればよいのです。
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●そして、会社を辞めるにしても、会社に残るにしても、出来るだ
け早めに身に付けておくべきものがあります。それは「起業家の視
点」です。経営者の視点と言ってもよいでしょう。
●仕事でも、日常生活でも、サラリーマンの視点と、起業家の視点
とでは、見えてくるものが全く異なります。見ている角度が違うの
です。
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●例えば、コスト意識。起業家の視点を身に付けると『勤務先オフ
ィスの家賃はいくらか?』とか『午前中の無駄な会議で、どれだけ
の人件費をロスしたか?』など、自然に考えるようになります。
●さらに、会社の方針やルールが気に食わない! と感じたときに、
『じゃあ、自分が経営者なら、どんなルールを作るべきだろうか?』
と考えたりするようになります。
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●なぜ、そのようなことを考えるのか? 理由は「将来、自分も会社
を作ることになるかもしれない」という意識を持っているから。
●つまり、会社で起こる全ての出来事を「自分の問題」として捉え
ているのです。そうなると「学ぶべきポイント」がたくさん見えて
くるので、そこは『情報とノウハウの宝庫』に変わります。
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●仮に、もしあなたが、ロッテリアの店長だとして、売上げが落ち
込んで悩んでいるとします。そんな時、近所で売上げNo.1と評
判のマクドナルドに、アルバイトとして雇われたら、どうするか?
●あなたは、売上げアップにつながるヒントを、その店舗から、必
死に得ようとするのではないですか? 接客、調理、オペレーション、
マネージメント。もはや、時給の額なんて、どうでもいいでしょ?
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●私も学生時代は、ロッテリアでバイトをしていましたが、もちろ
ん「お金のため」でした。そこからビジネスのチャンスやヒントを
得ようという考えは、全く無かった。今考えると、勿体無かったかも。
●サラリーマンの視点と、起業家の視点。お金のために働くのか?
情報・ノウハウ収集のために働くのか? その両方のために働くのか?
給与明細の数字しか見ていないから、会社がイヤになるのです。
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●サラリーマンであることが不幸なのではない。サラリーマンの視
点でしか生きられないことが不幸なのです。そして、サラリーマン
視点のままで独立するから、失敗するのです。
●では、どうすれば、起業家の視点が身に付くのか? その方法の
1つに、週末起業という選択肢があります。インターネットを使っ
て、ゼロからお金を稼いでみる。まずは、そこから始まります。
(次号につづく…)
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■ シリーズ企画: 絶対に損したくない!退職準備マニュアル【15】
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テーマ: 年金
国民年金 + 厚生年金の上に、さらに厚生年金基金? なぜ3階建て?
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●サラリーマンの年金は、国民年金 + 厚生年金 + 厚生年金基金
という3階建て構造になっています。
3階部分: 厚生年金基金
2階部分: 厚生年金
1階部分: 国民年金
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●なぜ、こんなにたくさん積んであるのか? 理由は簡単です。それ
は『国民年金だけでは、ぜんぜん足りない(とてもじゃないが、生
きていけない)から』です。
・国民年金の老齢給付 : 最大で \66,208 (月額)
・厚生年金の老齢給付 : 平均で \200,000(月額)
※データ参考:「年金のすべてが面白いほどわかる本」中経出版
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●つまり、国民年金のみだと、最大でも毎月6万円程度しか貰えま
せんから、これだけで生活することは、まず不可能ですね。だから
こそ、厚生年金が必要なのです。
●それでも、合計で26万円程度ですから、月給40万円以上貰っ
ていた管理職のおじさんたちは、それまでの生活レベルを維持でき
なくなるのは明らかですね。退職金を食い潰すしかありません。
●そこで登場するのが、厚生年金基金なのですが、このあたりにな
ると、計算方式が複雑すぎて、実際、いくら貰えるのか? は良く分
かりません。会計の素人にはちょっと厳しいレベルです。
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●さて、ここで押さえるべきポイントは2つ。1つは「厚生年金の
保険料支払いは会社と個人で折半」。もう1つは「実質、老齢給付
の7割以上は厚生年金が占めている」という事実。
●つまり、簡単に言えば、厚生年金の老齢給付20万円のうち、10
万円分は、会社が払っている、ということになります。もちろん、会
社を辞めたら、その分も、自分で支払うことになります。
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●厚生年金は、サラリーマンだけが加入できる制度ですから、例えば、
会社を辞めて、フリーランスになったり、個人事業主になる場合は、
以下のような年金制度に変わります。
2階部分: 国民年金基金
1階部分: 国民年金
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●つまり、国民年金だけでは足りないので、その分を、国民年金基金
で補うのですが、国民年金基金の掛金は、上限6万8千円という決ま
りがあります。
●いずれにせよ、会社を辞めるつもりの人は、このあたりのルールや、
切り替え手続きの方法を、事前にしっかり調べておく必要がありますね。
●それにしても、こんなに厳しい年金事情の中、国民年金すら払っ
ていない若者やフリーターがいるのは、信じられません。どう考え
ても、危険すぎると思いませんか?
(次号につづく…)
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