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 【幸せなサラリーマン04/10/04】会社を辞めるリスクと、会社に残るリスク


2004/10/04(第85号)
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■  会社を辞めるリスクと、会社に残るリスク
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⇒【前号までのあらすじ】節約をビジネスとして捉えると、その行
為が、本当に利益を生み出しているか? を客観的に分析できる。
その考え方は、社内での「無駄な仕事」の削減にも生かせる。

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●こんにちは。ひと儲けドットコムの大和です。突然ですが、まずは
以下の、2つの質問に、直感で答えてみて下さい。

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  問1:あなたの会社で、臨時ボーナスが出ることになりました。
        以下の、AかBの封筒を自由に選択できます。あなたは
        どちらを選びますか?

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  A.必ず80万円入っている。

  B.100万円入っているが、15%の確率で1円も入っていない。

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  問2:あなたの会社に、倒産の危機が訪れました。そのため、
        全社員が、もらったボーナスを返さなければならなくなりました。
        以下の、AかBを自由に選択できます。どちらを選びますか?

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  A.80万円を支払う。

  B.100万円を支払うが、15%の確率でまったく支払わなくてよい。

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●さて、あなたの回答は、どうなりましたか? おそらく、ほとんど
の人が、

    問1:A      問2:B

を選んだのでは?

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●では、実際のところは、どちらが得なのか? 数学的な期待値で
考えてみると、次のようになります。

  ▼問1(もらう場合)
  Aの期待値:80万円 × 100% = 80万円
  Bの期待値:100万円 × 85% = 85万円

  → よって、Bの期待値が高いので、Bを選んだほうが得。
     (Bのほうが、5万円も得する。)


  ▼問2(支払う場合)
  Aの期待値:80万円 × 100% = 80万円
  Bの期待値:100万円 × 85% = 85万円

  → よって、Aの期待値が低いので、Aを選んだほうが得。
     (Aのほうが、5万円も得する。)

                             *

●このように、冷静に分析して、計算してみると、問1ではBを、
問2ではAを選んだほうが、得なのです。にもかかわらず、なぜ、
私たちは、その反対の答えを選んでしまうのか?

                             *

●誰もが『もらえるものは手堅くもらっておく』という考え方を
持っています。なのに、自分が損する立場になったら、たとえ僅か
な確率でも『損失ゼロ』のほうに、魅力を感じてしまう。

●この考え方は「プロスペクト理論」と呼ばれ、経済学の世界では
有名な理論です。株の売買における心理的傾向の分析などにも応用
されています。

  参考:「マネーの心理学」マネー&ライフ研究会/三笠書房

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  それでも、手堅く、もらいたい。
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●ですが、それでも、問1でBを選ぶのには、勇気が要りますね。
『もし、失敗したら、どうしよう・・・』という心理的な恐怖心も、
大きく影響しています。

●あなたが、問1で、Bを選んで、もし失敗したら、きっと同僚から
『バカな奴だ。欲を出すから損するんだ。最初からAにしておけば
よかったのに・・・』と、罵倒されるに違いありません。

●一方、問2の場合、もしBを選んで、失敗したとしても『勇気の
あるチャレンジだ!』と賞賛される。だから、やっぱり、問1では
Aを、問2ではBを選んでしまう。理屈より感情が優先するのです。

                             *

●このように、人間は、お金の損得が絡むと、理屈に反する行動を
取ってしまうことがあります。その原因は、以下の2つの心理。

  1.もらえるものは、確実にもらいたい、という欲求

  2.失敗したときに、周りからどう思われるか? という恐怖

                             *

●そして、これらの心理は、私たちサラリーマンの生き方にも、
大きく影響しているのです。

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  会社を辞めるリスクと、会社に残るリスク
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●人間の行動は、理屈よりも感情に左右されやすい。この事実を、
サラリーマンの転職、もしくは独立に当てはめて、考えてみると
どうなるか?

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●もし、あなたが、今の会社に対して、何らかの魅力を感じている
場合、つまり「会社が好き」な場合、その会社から得られるメリット
を「しっかりもらっておく」という気持ちが強くなる。

●だから『毎月、確実に手に入る給料と福利厚生』を重視する。
それはつまり、問1で言えば、Aを選択するということ。

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●一方、あなたの職場に、ある日突然、嫌な上司がやって来て、
「会社が大嫌い」になってしまった場合、その会社から与えられる
心理的ダメージ(つまり損失)を、出来るだけ少なくしたい! と考える。

●すると、たとえ僅かな確率でも『独立して大成功したら・・・』
と、過剰な期待を抱いてしまう。これは、問2で言えば、Bを選択
するということ。

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●本来、転職や独立とは、あなたの人生を決める、重大な決定であり、
その場の感情だけで決めるような、単純な問題ではない。客観的かつ
冷静に分析し、どちらが得なのか? を論理的に判断しなければならない。

●にも関わらず、多くの人は『こんな会社辞めてやる!』的な、その場の
勢い、つまり「感情」で、転職したり、独立したりする傾向がある。これは
まさに、サラリーマンの「退職プロスペクト理論」なのです。

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●誰もが、リスクの少ない人生を歩みたいと思っています。ですが、
時として、一時の感情に流されて、自ら、そのリスクを背負い込もうと
している人がいる。

●会社を辞めるのにはリスクが伴うが、潰れそうな会社に残ってリ
ストラされるのもリスクであることは事実。大切なことは、自分の
実力と、会社の業績、世の中の流れを、冷静に、かつ客観的に見ること。

●それらの要件を、総合的に判断した結果、『毎月、確実に手に入
る給料と福利厚生』を優先する人生を選んだのならば、それは、誰が
何と言おうとも、あなたにとっては、最適な選択なのです。

                             *

●周りの意見に影響されず、自分の一時的な感情にも左右されない。
常に冷静に、長期的な視点で、答えを導き出す。そうすれば、たとえ
どんな問題に直面しようとも、必ず最良の道が見えてくるのです。

(次号につづく…)


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■ シリーズ企画: 絶対に損したくない!退職準備マニュアル【38】
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テーマ: 税金

所得税の計算について(前号の訂正と補足)

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●前号で、所得税の計算方法についてお伝えしましたが、最後の式
に誤りがありましたので、この場を借りて訂正いたします。ご指摘
頂いた方々、どうもありがとうございました。

                             *

▼前号での誤り
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●では、実際に、所得税額を計算してみましょう。所得税額の計算は、
以下のような「速算控除一覧」に従うと、簡単に算出できます。

  330万円未満 の場合、税率10%、速算控除額0円

  330万円以上 900万円未満 の場合、税率20%、速算控除額33万円

  900万円以上 1800万円未満 の場合、税率30%、速算控除額123万円

                             *

●ですから、265万円の場合、税率20%をかけて、そこから
33万円を引いたものが、所得税額になります。つまり、

  265万円 × 20% − 33万円 = 20万円

となるので、納めるべき所得税は、年間20万円になります。
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・・・とありましたが、お気づきのとおり、265万円の場合、
適用される式は、

  330万円未満 の場合、税率10%、速算控除額0円

になりますので、

  265万円 × 10% − 0万円 = 26.5万円

となります。ご指摘頂いた方々、どうもありがとうございました。

                             *

●さらに、読者の方から

  『今なら定率減税が20%だから、21.2万円が課税額になる』

とのご指摘も頂きました。ありがとうございます。そこで、定率減税
についても、調べてみました。

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▼定率減税(ていりつげんぜい)とは?
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所得税、個人住民税などの税額の一定割合を差し引く減税のこと。
平成11年分以後の所得税から定率減税を控除できる。具体的には、
所得税額の20%と25万円の、いずれか少ないほうが定率減税額
になる。
------------------------------------------------------------
参考:「手にとるように税金用語がわかる本」/かんき出版

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●ですので、課税額26.5万円に対して、定率減税を適用する
場合、

  26.5万円 × 20% = 5.3万円

となり、

  26.5万円 − 5.3万円 = 21.2万円

が、課税額になります。

                             *

●ちなみに、個人住民税の定率減税は「15%と4万円の、いずれ
か少ないほう」が適用されます。

                             *

●私たちサラリーマンは、他の業種や、個人事業主と比較して、
どうしても、税金に疎(うと)くなってしまう傾向があります。

●ですが、前号の誤記について、多くの読者の方々から、ご指摘の
メールを頂き、改めて、みなさまの『税金に対する意識の高さ』を
知ることができました。どうもありがとうございました。

●面倒な計算式が出てくると、どうしても敬遠しがちですが、それ
でも、私たち一人ひとりが、税金について、高い関心を持ち続ける
ことで、国の「税金の無駄遣い」を減らすことができるのだと思います。

(次号につづく…)


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