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■ 「自分の意見を認めてくれない上司」への不満を解消する方法
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⇒【前号までのあらすじ】「人からどう思われるか?」よりも「自分
がどう思うか?」を重視すれば、幸せなサラリーマンになれる。見せ
かけの人工芝ではなく、本物の生命力を手に入れる方法を考えよう。
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「まだ決まっていません。」を決めるのは誰?
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●こんにちは。ひと儲けドットコムの大和です。「問題先送り体質」
という言葉がありますが、あなたの会社でも、次のようなパターン、
ありませんか?
会議室から戻ってきたあなたは、
上司Aから進捗を聞かれました。
上司A 『あの件はどうするか、もう決まったの?』
あなた 『まだ決まっていません。』
上司A 『いつ決まるの?』
あなた 『えーっと、今週中には・・・』
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●残念ながら、この件は、今週中には決まらないでしょう。なぜか?
上記の会話には、根本的に間違っている部分があります。それは、
『いつ決まるの?』という聞き方。
●『決まる』という言葉には、「自分以外の誰かが決めてくれる」
という依存志向が含まれています。こんな状態で会議に参加しても、
議論は永遠に平行線をたどることになる。
●ですから『いつ決まるの?』ではなく『いつ決めるの?』と聞か
なければなりません。「決まる」と「決める」の違いは大きいのです。
『自分が決めるんだ!』という意気込みが、会議には必要なのです。
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怒りの状態から抜け出すための、3つのポイント
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●とは言っても、自分の意見や主張が、必ずしも会議で採用される
とは限りません。特に、若手社員の場合は、上司から否定されたら
一発で終わりです。
●そんな時、真面目で優秀な社員ほど『どうして上司は俺の意見を
聞こうとしないんだ!? だからいつまでたっても決まらないんだよ!!』
という不満が溜まり、怒りたくなることもあるでしょう。
●では、もしあなたが、そのような「怒りの状態」に陥ってしまっ
た場合、どうやって、その不満を解消すればいいのか? ポイントは
3つあります。
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→【ポイント1】自分の意見に対する愛着を捨てる
●商売の世界で、次のような言葉があります。
商品を売るためのコツは、その商品を愛しすぎないことだ。
●なぜ、愛しすぎると失敗するのか? それは「完璧を求めすぎて
しまう」から。つまり、いつまでたっても販売に踏み切れず、商品
の改善ばかりに力を注いでしまい、タイミングを逃すという失敗。
●さらに、商品に対する思い入れが強すぎると、それが売れなかっ
たときのショックが大きくなり、次の一手が打てなくなる。ダメだ
ったら、すぐに見切りをつけて、執着を捨てないと次に進めません。
●そしてこれは、サラリーマンにも当てはまります。自分の意見や
主張に固執しすぎると、それが認められなかったときのショックも
大きいですし、次の新しいアイデアを考える余裕も無くなります。
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→【ポイント2】会議に参加する目的を変える
●発言力の強い人が、会議で延々としゃべり出す。よくある光景で
すね。『自分の主張を通し、周りに認めさせることで、自分の存在
価値をアピールしたい』という目的のために、声を張り上げる。
●しかし、このような欲求は、誰もが持っているのです。自己顕示欲
ですね。ですが、本来、会議の目的は、自己顕示欲を満たすことでは
なく「決めるべきことを決めること」のはずです。
●もしあなたが『自己顕示欲を満たしたい!』という欲望を押さえ
きれず、ついヒートアップした議論に走ってしまったら、もう一度、
会議に参加している目的を、冷静に見つめ直すことが大切なのです。
『自分の意見を通す必要は無い。決まればそれでいいんだ。』
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→【ポイント3】「決めてくれてありがとう」と考える
●どんな意見でも『それは絶対に正しいのか? 100%完璧と言え
るのか?』と問い詰められたら、誰だって不安になるでしょう。そも
そも、100%絶対に正しい意見なんて、存在するはずないのですから。
●つまり、意見の裏には必ず「責任」があり、もし何か問題が発生
したら『あの時、この意見を出した奴は誰だ? そいつのせいだ!』
と、責め立てられるリスクを、覚悟しなければならない。
●ですから、仮に、あなたの意見と、上司の意見が対立していたと
して、最終的に上司の意見が採用されたとしても『よっしゃ、これで
問題が発生しても、上司の責任だ。』と考えればよいのです。
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責任が分散されるから、給料も分散される。
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●会議で自分の意見が取り入れられないことに腹を立て、自己顕示欲
が満たされないことに怒り『もうあんな上司とは一緒に仕事できない。
こんな会社辞めてやる!』と考えてしまう人。
●そう考える人は、とても優秀で、真面目で、誰よりも真剣なのだ
と、私は思います。ですが、結果として、自分の中にストレスを溜
め込んでしまうようでは、損するばかりですよね。
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●ですから、もっと気楽に考えればいいんです。誰の意見であろう
とも、早く決まれば、それだけ早く、仕事に取り掛かれるし、無駄な
会議に参加しなくてもよくなるから、自分の時間を節約できる。
●自分の意見が認められたからと言って、給料が2倍になるわけじ
ゃない。だったら、自分の意見を通すために、会議の時間を2倍に
延ばすなんて、人生の無駄遣いですよね。
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●さっさと決めて、さっさと終わらせて、さっさと帰る。その結果、
問題が発生しても、責任は「会議の参加者」全員に分散される。そして、
責任が分散されるから、給料も分散される。だから安いのです。
●ですから、もし、あなたの職場に『なんでも自分で決めたがる頑
固な上司』がいたら、全部決めさせればいいのです。そうやって利
用して、責任も押し付けてしまうぐらいに考えたほうが気楽ですよ。
(次号につづく…)
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■ シリーズ企画: 絶対に損したくない!退職準備マニュアル【47】
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テーマ: 経理
複式簿記で大切な「仕訳(しわけ)」の考え方
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●前号では、青色申告と複式簿記の関係についてお伝えしましたが、
将来、会社を辞めて独立するつもりの人は、青色申告をするために、
複式簿記に関する知識を、今のうちから身に付けておく必要があります。
●そして、複式簿記で重要になるのが、仕訳(しわけ)の考え方です。
仕訳について、もう一度、おさらいしてみましょう。
▼ 仕訳(しわけ)とは?
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1つの取引について、2つの情報を記録すること。例えば、一万
円の商品を売った場合「現金一万円を手に入れた」という情報と、
「一万円の商品が相手に渡った」という情報を記録する。
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●すべての取引には、原因と結果があり、その両方を帳簿に記録す
るという考え方が「仕訳(しわけ)」なのです。
●では、具体的にやってみましょう。仕訳のパターンは、以下のよ
うな4つのパターンに分類できます。
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→【パターン1】○○で現金を手に入れる
例:開業資金200万円を銀行から借りた
●この場合「借金で現金を手に入れた」となりますから、仕訳は次
のようになります。
日付 借方 貸方
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10/25 現金 2,000,000 借入金 2,000,000
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●なお、ここで押さえるべきポイントは2つです。
(1)自分のことを「借方」と呼び、他人のことを「貸方」と呼ぶ。
他人からの借入金が原因で、現金200万円という結果を自分が得た。
(2)借方と貸方の値は、必ず左右対称(同一)になるように書く。
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→【パターン2】○○を現金で支払う
例:得意先と飲みに行って、飲食代3万円を自分が払った
●この場合「交際費を現金で支払った」ことになりますから、仕訳
は次のようになります。
日付 借方 貸方
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10/25 交際費 30,000 現金 30,000
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●ここでのポイントは、
(1)自分が交際費3万円を支払ったことが原因で、他人に現金3
万円(相当の飲食物)を渡した。
(2)簿記で扱う数値は、すべて「金額」で記録する。よって、貸方に
「ビール○本」のような情報を書く必要は無い。
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→【パターン3】○○を現金で買う
例:100枚入りのプリンタ用紙を980円で購入した
●この場合「消耗品を現金で買った」ことになりますから、仕訳は
次のようになります。一番分かりやすい例ですね。
日付 借方 貸方
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10/25 消耗品費 980 現金 980
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●ここでのポイントは、
(1)自分が消耗品を980円で購入したことが原因で、他人に
現金980円が渡った。
(2)簿記で扱う数値は、すべて「金額」で記録する。よって、貸方に
「プリンタ用紙100枚」のような情報を書く必要は無い。
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→【パターン4】○○を現金で売る
例:8千円で仕入れた洋服を、1万円で売った
●この場合「商品を現金で売った」ことになりますから、仕訳は
次のようになります。
日付 借方 貸方
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10/25 現金 10,000 商品 8,000
利益 2,000
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●ここでのポイントは、
(1)商品を他人に渡したことが原因で、現金1万円という結果を
自分が手に入れた。
(2)借方と貸方の金額を同一(左右対称)にするために、貸方に
「利益」を書いた。
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●以上、4つのパターンが、仕訳における基本的な考え方のベース
になります。まずは、実際にやってみながら、感覚をつかむことが
大切ですね。
(次号につづく…)
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