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 05.  人間は「ウレシイこと」にお金を使う


ディズニーランドユニバーサル・スタジオ・ジャパン
恋人と行くなら、どちらを選びますか?
友達と行くなら、どちらを選びますか?

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■技術主義設計者の悪い癖とは?
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私が尊敬する上司に、こんな口癖の人がいた。
「それを作って、なんかウレシイことがあるのか?」

この視点は正しい。
エンジニアが最も忘れがちなことだ。


私のような技術職の人間は、

「その技術や性能を追い求めることがすべてだ!」

と勘違いして、あらゆるシステムを「機能重視」で設計してしまう癖がある。
いわゆる「自己満足型設計」だ。

しかし、本当に大切なのは、
この機能を付けたら、これを使う人はどんなに「ウレシイ想い」をするか?
なのだ。

そうやって考えてみると、
「別に要らないんじゃないですか?」
という機能も多い。

でも、若い設計者は、その言葉を口に出来ない。
なぜなら、
「お前、やりたくないから(作りたくないから)言ってるだけだろ!」
って上司から怒られるからだ。


「その機能がいかに必要であるか?」という理由は、
いろんな理屈をこじつければ、いくらでも作り出せるから、
誰も反論は出来ない。プレゼンでもよく使われる「自己正当化理論」だ。

売る側の主張 : 「この機能もあったほうがいいですよ!」

って。
そりゃ、なんでもかんでも「ある」に越したことは無い。
予算や開発費が無限にあれば・・・ね。


そして上司(プロジェクト管理者)は、
その機能でお客がウレシイかウレシクナイか?
なんてたいした問題じゃない

より多くの機能を作って、工数を増やして、
たくさん売上を出したいのが本音だからだ。
そりゃそうだろう。

(まぁ、事実として私はそのお金で飯を食っているのだから、
文句を言える立場でも無いのだが・・・)


特に、パソコン用ソフトのような市販パッケージソフトではなくて、
我々が作っているような「システム制御系ソフト」
(つまり世界に1つしかないオーダーメイドのソフトウェア)
の場合は、その傾向が強い。値段も「言い値」だから恐ろしい。


もちろん、そのような「過剰な機能」に大金を払ってでも欲しがる企業
は存在する。しかし、そのほとんどは
「めちゃくちゃカネを持っている超大企業」である。

そのため、私が携わっている仕事は、
そのプロジェクトにかかわる人数が多すぎて、
設計者が「お客様の顔を直接見る機会が圧倒的に少ない。

だから、普段の仕事において、
「その製品を使うお客様の気持ちを考える」
という発想すら無いのが現状だ。


つまり、お客様(超お金持ちの大企業様)から
『○○を××するためのソフトウェアを作って欲しいんですけど・・・』
と言われたら、その要求を叶えてあげるのは得意なのだが、

「お客様は、どんな製品を欲しがっているのだろうか?」
「どんなシステムを開発、提案すれば、売れるようになるのだろうか?」

という「商品発想力」が非常に弱いのである。
だからプレゼンにも勝てなくなる。自分から仕掛けていくことが出来ないのだ。


日常の業務において、
「お客様は、どんなことに不満を感じ、
どんなことに
喜びを感じるのか?」


という意識を持っていない技術者が、10年後、20年後に
プロジェクト管理者になるのだから、そんなチームで
「人が欲しがるようなヒット商品」を考えること自体が無理なのだ。


エンジニア(技術者)は、その技術力が全てだ!

という人もいるだろう。それも正しい。しかし、

どんなに高性能な製品でも、
「その性能(製品)を買うと、どんなウレシイことが起こるのか?」
を説明できなければ売れないのと同じように、

どんなに優れた自社技術を持っていたとしても、
「その技術力を、どんな製品に応用すればいいのか?」
が分からなければ、それは「技術の持ち腐れ」となる。


お客が喜ぶための製品。
その製品を作るための技術。



技術職の人間も、これからは「顧客感情」を理解できなければ、
もはや生き残れない時代だ! と私は思う。

携帯電話に使いもしない無駄な機能がどんどん付いていく時代も
やがて終わりを迎えるだろう。



さて、お客にとって、使う側にとって
「それを使うと、どんなウレシイことが起こるか?」
が明確ならば、人はそれにお金を使うことを惜しいとは思わない。

例えばディズニーランドのように、
「そこに行けば、たくさんのウレシイことが起こる!
のが誰の目にも明らかならば、どんなにお金を払っても惜しくないはずだ。

人は商品が欲しいのではない。
その商品を買って「どんなウレシイことが起こるのか?」
を求めている。つまり、欲しいのは「ウレシイこと」なのだ。


昔はスポーツカーが売れた。今はどうだろうか?
スープラもシルビアも生産中止になった。

私は1977年生まれだが、中学生の頃は、やはりスポーツカーに憧れていた。
「将来ぜったいにスープラに乗るぞ!」って思っていた。

でも今はRV車に乗っている。
私の周りの同期も、ミニバンや6人乗りを選ぶ人が増えてきた。
新車で買ったランエボを3年で手放してイプサムに買い換えた友達もいる。


もはや「スポーツカーを買う理由」分からなくなってきている。

それに乗って「俺ってカッコいいよね!」って思えれば「ウレシイ」のか?
渋滞だらけの都心に、スピードを出せる道路など無い。宝の持ち腐れだ。

だったら、ミニバンやRV車で女の子と楽しくスノボに行ったり、
みんなでワイワイとキャンプや海に行く方が「ウレシイ」
思うのは当然じゃないか?そっちのほうがモテる。

ようするに、

「その車に乗って、誰と一緒に、何処に行きたいのか?」

が大事なのであって、その目的が果たせるのなら、
別に新車や高級車じゃなくても、中古車でも十分だ。
その浮いたお金でスノボに行った方がウレシイ

(ちなみに私の愛車は中古のフォレスターだ。すごく気に入っている。)


だから、セレナのCMは
「モノより想い出」と言っているし、
ステップワゴンも
「子供と一緒にどこ行こう?」と言っている。

この傾向は、車業界だけではない。
例えばアイフルのCM。チワワが超かわいい、あのCMだ。
「どうする?アイフル?」

つまり、ローンを上手に使えば、
ボーナスまで待たなくても、
「一秒でも早く、可愛いチワワと一緒に暮らせてウレシイ
のである。

それと、マスターカードのCM。
私はこのCMが大好きだ。
「お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで」

つまり、その商品がもたらしてくれる「ウレシイこと」は、
どんなにお金を積んでも買えないぐらい、
とっても素晴らしい価値があるってことを、
さりげなく教えてくれている。


商品は「手段」であり、「目的」ではない。


だから、商品を売る前に、まず、
「その商品を買う目的」について考えてみる視点が大切だ。

そしてその「目的」がはっきりしたら、
それを分かりやすく教えてあげればいい。


みんな、お金が無いわけじゃない。
「欲しいもの」が無いのだ。「欲しい商品」が無いのだ。
何を買えばウレシイのか?が分からなくなっている。
自分の周りに商品が溢れすぎているからだ。

「幸せって何?」みたいな。

だから、ウレシイことを教えてあげればいい。
「なんか楽しそう!」
「それってイイかもね!」

と感じた人間は、金に糸目は付けない。


例えば、先ほど「スポーツカーは売れない」と書いたが、
「スポーツカーを所有すると、こんなにウレシイことがあります!」
という視点でアピールすれば、十分に魅力的な商品になる。

具体的には、

・ カーディーラーが主催となって、そのスポーツカーの
  オフィシャル・オーナーズ・クラブを設立する。


・ スポーツカーの購入者しか、そのクラブに入会できないようにして、
  納車後も、そのクラブを通じて、ファン同士の交流を深める機会を作る。


・ オーナーズクラブ主催の「レーシングライセンス取得への道!」
  のような企画を打ち出し、実際にサーキットを貸し切って、
  レースを体験するイベントなども実施する。


のようなアイデアが浮かぶだろう。
こういうのって、なんだか面白そうでしょ?


スポーツカーのような高い買い物をした後は、
心理的に「俺の選択は正しかった!」と思い込みたい気持ちが強くなる。
だから、同じ車を選んだ人たちがたくさん集まると気持ちがいい。ウレシクなる。

さらに、オーナーズ・クラブという出会いを予感させる演出」が、
「モテたい男たち」の心を揺さぶるのだ。
「もし女性のオーナーがいたら・・・」なんてね。



特に、生活必需品でない商品を売る場合は、
「それを買うと、何がウレシイのか?」が説明できないと、
誰も買ってくれない。それがどんなに優れた商品であろうとも。

なぜなら客は、
「優れた商品だから買う」のではなく、
「欲しいと感じたから買う」のだから。

だって、「性能や機能が優れた商品」が欲しいのなら、
同じ値段でも最強スペックのパソコンを買うでしょ?
デルやソーテックを買えばいい。

でも実際は違う。色やデザインに惹かれる場合もある。
「なんとなくVAIOがカッコいいと思う」
「ダイナブックってイケてるよね!」


つまり、気持ちで買う」のだ。


だから、スポーツカーの場合も、
「燃費が・・・」とか、「エンジンが・・・」とか、
どうしてもその性能や機能に着目しがちだが、
「だからそれで何がウレシイのか?」という視点で考えてみると、
いろんな販促アイデアが浮かんでくる。

例えば性能について、
「燃費」と「走り」を両方ともアピールしようとしても、
中途半端な商品コンセプトになってしまうから、結局誰も欲しがらない

だったら、

「今回のミニバンは、燃費を犠牲にして、走りを重視しました!」
→ だから、車好きのお父さんも満足できてウレシイ!

とか、

「低燃費を徹底的に追求しました!維持費最安値!」
→ 浮いたお金で家のローンを繰り上げ返済できるのでウレシイ!

のように

その商品の「メリット」と「デメリット」を明確にし、
購入の
判断基準を分かりやすくする

ほうが、買う側も選びやすくなる。
どちらの「ウレシさ」を選ぶかはお客様次第だ。


成功のポイント : それを買うと「どんなウレシイことが起こるか」を常に意識せよ!


「・・・でも、うちが扱っている商品は、
毎日使う
生活必需品だからなぁ・・・」
って?

たしかに、
洗剤やトイレットペーパーみたいな、毎日使う生活必需品の場合、
「それを使うと、何がウレシイのか?」
なんて、いちいち考えている人はいない


じゃあ結局、生活必需品は価格競争で安売りするしか、
生き残る手段は無いのか?

いやいや、そんなことは無い。あきらめてはいけない。
生活必需品でも「ウレシイこと」を演出するのは十分に可能だ。

次回は、その具体的な方法について説明する。


続き → 06. 薄利多売は「選びやすさ&分かりやすさ」で売れ!
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