06. 薄利多売は「選びやすさ&分かりやすさ」で売れ! |
某ドラッグストアにて、女の子の会話 A嬢 : 「ねぇ、どれがいいかなぁ・・・」 B嬢 : 「どれでも同じでしょ?(早く決めてよねっ!)」 あなたも私も、誰もがみんな忙しい。忙しいから、 安い買い物までゆっくり考えて選んでる暇なんて無い。 (高い買い物は「これでもか!」というほど調べまくるが・・・) 例えば、 「トイレットペーパーを買って、何がウレシイか?」なんて いちいち説明しても時間の無駄だ!って? そのとおり。だから誰も説明しない。 で、買う側はどう思っているかというと、 「どのメーカーのトイレットペーパーを選んだらいいか分からない」 のだ。 「どれでも一緒だ」という気持ちと、 「どうせ買うなら、自分にベストマッチな商品を選びたい」という気持ちが、 入り混じっている。だから「迷う」のだ。 でも、たかだか数百円の商品を買うのに、 いちいち迷ってる暇なんて無い。 だから結局、「とりあえず一番安いのを買う」みたいに、 低価格競争に陥ってしまう。 既にご存知だと思うが、これからのマーケティングで、 もっとも「やってはいけないこと」は何か? それは言うまでも無く、低価格競争である。 先の見えない泥沼のイタチゴッコだから、デフレを加速させる。 だから、低価格競争での生き残り合戦は、 大量販売、大量仕入れの超大手企業に任せておけばいい。 低価格競争でも勝負できるのは、めちゃめちゃ金を持っている企業、 つまり資金力(体力)のある大企業だけだ。 広告宣伝費に何億も費やすような大手企業だ。 もしくは、あなたの店も徹底的に「安物の店」を目指すか? でも、ただ「安いだけ」しかメリットが無いなんて、 商売として面白いだろうか? だから、少なくとも、これから新しいビジネスに参入しようと 思っているならば、「安さが勝負!」なんて考えは捨てるほうがいい。 (ドン・キホーテを目標にしているなら別だが・・・) 例えば、 ・ スターバックス ・ 健康エコナ ・ マクドナルド と言えば、あなたには何が思い浮かぶ? ・ スターバックスのコーヒーは高いけど、ドトールよりもなんとなくイケている。 ・ 価格は高いけれど「体に脂肪が付きにくい」ことが重視され支持されている。 ・ 65円で低価格に走ったかと思えばプレミアムマック?高級化路線に転換か? ・・・とは言っても、たとえばあなた自身が、 近所のスーパーで洗剤やゴミ袋を買う場合、 つい「安い方を買ってしまう」のはなぜなのか? 答えは簡単。忙しいからである。 自分の買い物における商品選択の正当性について、 真剣に考える時間が無いのだ。 そして、自分の商品選択の正当性を、 最も簡単に証明してくれる要素が「安さ」なのだ。 「安いから買った。だから私は賢い買い物をした。 だから私の選択は正しい。だから私は損はしていない。」 という心理だ。 「買わなければよかった・・・」 「やっぱりあっちにすればよかった・・・」 という後悔を消し去るための、最も簡単な自己説得は、 「まぁいいか。安かったから。」である。 このようになってしまう原因は、 「価格以外の判断基準が消費者に正しく伝わっていないこと」 なのである。メーカーや小売店は、もっとPOPや広告を工夫すべきだろう。 先日、私は薬局で胃薬を探していたが、 似たような商品が多すぎて、どれを買えばいいのか? 全然分からなかった。 POPで「当店のオススメ!」と書いてあるが、肝心な、 「なぜオススメなのか? 他社の商品とはどこがどう違うのか?」 が書いてないから、まったく意味不明だ。 「本当は『あんまり売れてない』から、 オススメとか言って在庫処分してんじゃねーの?」 みたいな疑いすら覚えた。 かと言って、あまり安すぎる薬だと「効かない」ような気がするし・・・ で、店員に「どう違うんですか?」と聞いても、 ほとんどの店員が、その明確な違いを答えることができないのだ。 ようするに「どっちでも大して変わらないから、早く選べ!」 的な雰囲気を醸し出しているのだ。 まったく困ったものだ・・・ え? 『じゃあ、どう説明すればよかったのか具体的に言ってみろ!』って? そうですね、例えば胃薬の場合、 その有効成分の違いについて、素人でも分かるように 明確に説明してもらえれば良いのですが、 「A社製もB社製も有効成分は同じなので、 どちらを選んでも変わりはありません。」 と言われたら、あとは何を判断基準にするか? 価格の安さ? いいや、そんなものでは選ばない。 私は基本的に、医療費や薬代はケチらないことにしている。 自分の命を守るのにお金をケチってどうする? だから、有効成分と価格以外で、 その商品の優位性をアピールしなければならない。 例えば、 ・ 飲みやすさ(錠剤 or 顆粒) ・ 味(苦い、無味、甘い) ・ 効き目(即効性 or 持続性) などが挙げられる。 つまり、価格以外の「商品特徴」をアピールして差別化するのだ。 たとえ、有効成分や価格が同じでも、 「どちらも顆粒ですが、A社製は苦く、B社製は無味です」 とか、 「一錠で12時間、胃酸を抑え続けます」 とか教えてもらえればよかったと思う。 このような視点でPOPを書くとすれば、 「顆粒は苦いと思って錠剤を選んでいるあなた! 苦くない顆粒もあるんですよ! ○○社の××胃腸薬」 とか、 「午後の長〜い会議に備えて、これ一錠で12時間キープ!」 という具合になる。 それを飲めば、 どんな「ウレシイこと」が起こるかを教えてあげているPOPだ。 このような生活必需品でも、 他社類似商品との違いを明確に教えてあげることができれば、 それは「優位性」となり、買ってもらえる確率も高くなるのだ。 ただし、ここで勘違いしないでほしいのは、 A製薬会社とB製薬会社、どちらが儲かるのか? という話しをしているのではないということ。 つまり、 「どうせ買うなら、分かりやすい(商品が選びやすい)店で買いたい!」 という、お客の心理を理解してほしいのだ。 あなたが薬局の店長で、となりのライバル薬局に差を付けたければ、 もっと分かりやすくて選びやすいPOPを作った方がいい。 そうすれば、たとえ同じ商品でも、同じ値段でも、 「あなたの店で買いたい」と思うのだ。 「薬を買うならあの店がいい」って特別扱いされるのである。 では、今度は「目薬」について考えてみよう。 私は重度の近視で、普段はコンタクトレンズだが、 これを外した後の、目薬を注す爽快感がたまらない! で、あらゆるメーカーの、あらゆる商品を試した。 目薬は、その名称やパッケージを見ただけでは、 どれぐらい「しみる」か?が判断できない。 そんなのはどこにも書いてないからだ。 だから、開封して、一滴使って、 「うぅ〜しみるぅ〜〜」って、そのままゴミ箱行きの目薬も数知れず。 「600円もしたのに・・・(怒)」 もちろんその商品は二度と買わない。タダでもいらない。 そんな中で、やっと私のベストチョイスに出会うことができた。 ライオンの黄色い目薬「スマイル40EX」だ。いつも買い溜めしてある。 この商品の注し心地は最強に「爽快」である。 ぜんぜんしみない。 職場の女の子で、ドライアイで悩んでいる子がいたので、 教えてあげたら、「すっごく気持ちいいね!」って喜んでくれた。 私も嬉しかった。これが口コミの原理だ。 「使ってみなけりゃ分からない」商品こそ、 「実際に使った人の感想を知りたい」と思うだろう。 じゃあ「目薬のレビューサイト」を作ったらどうか? って思いついたんだけど、早速Googleで探ってみたら、 既にありました。「すきすき目薬」っていうサイト。 ちなみに、私のお気に入り「スマイル40EX」は、 安い時は300円前後で売られている。ありがたいことだ。 でも、もしこの商品が900円になったとしても、 私は「スマイル40EX」を買いつづけるだろう。 つまり、値段で選んでいるのではないからだ。 安いから買うのではない。欲しいから買う。 その商品じゃなきゃダメなのだ。 これからのビジネスは、 ナンバーワンよりオンリーワン とよく言われるが、まさに私にとってのオンリーワンである。 さて、もしあなたが薬局の店長ではないとしたら、 『さっきから薬の話ばっかりしてんじゃねーよ!』 と怒っているに違いないので、他の生活必需品についても考えてみよう。 例えば「トイレットペーパー」の場合。 冒頭でも説明したが、 「そのトイレットペーパーを買うと、何がウレシイのか?」 なんて、いちいち考えて買っている人などいない。 つまり、トイレットペーパーに「新しい価値」を見出さなければ、 その価値をお客様に伝えることはできないのだ。 新しい価値とは、新しい視点から生まれる。 例えば、誰でも簡単に思いつくのは、 「拭き心地が気持ちいいです!」とか、 「紙質がやわらかいので、お尻が痛くなりません」 のように、「拭く」という視点から見た商品価値の提案である。 しかし、これだけではダメで、まず、 「トイレットペーパーとは、お尻を拭くための紙である」 という視点から離れなければならない。 まずは、 「何のためにトイレットペーパーが必要なのか?」 という視点で考えてみると、どうなるか? 現在、多くの家庭で「シャワートイレ(ウォシュレット)」を設置しているだろう。 つまり、ほとんどの人は、用を足した後に、 1. シャワートイレで洗浄する。 2. トイレットペーパーで水分を拭き取る。 という動作を実行しているはずだ。 ということは、 「トイレットペーパーは、水分を拭き取るための紙である」 という視点が生まれる。 ならば「水分吸収力の違い」に着目して、 その商品価値をアピールすることはできないだろうか? 「同じ長さでも水分吸収力が2倍! しかもお尻に引っ付かない!」 のようなPOPやキャッチコピーが考えられるし、 各社の商品を「水分吸収力の違い」で比較して陳列するアイデアも生まれる。 では次に、「トイレットペーパーを使う上での悩みや問題点は?」 について考えてみると、どうなるか? 例えば、 「トイレの紙詰まり」の問題が考えられる。 紙を大量に使い過ぎると、トイレが詰まってしまうという現象だ。 これを回避するためには、どうすればいいのか? ・ 使い過ぎない ・ 水に溶けやすい商品を選ぶ などの案が浮かぶだろう。では、なぜ使い過ぎてしまうのか? 答えは簡単。安いからである。 「もったいない」とか「節約しよう」という気持ちが起こらないのだ。 だったら、その心理を逆手にとって、 「トイレットペーパー高級化路線」 も考えられる。わざと高級な紙質を使って単価を高く設定して、 「当店で最も価格が高い商品です! 大切に使って下さい。 紙の無駄使いが減って、トイレが詰まる心配も要りません! 拭き心地もシルクのような肌触りで最高です!」 のようなPOPを書くのも良いだろう。さらに「溶けやすさ」の観点で、 各社の商品を比較して陳列する方法もある。 「トイレ詰まりでお悩みの方へ!水に溶けるスピードが2倍になりました!」 このように、商品の視点を変えることで、 それまで考えもしなかった新しい商品価値が生み出せることがある。 その価値を、お客様に分かりやすく教えてあげる店があれば、 その店は「お客様から選ばれる店」になれるのだ。 さらに、「トイレットペーパーを使う楽しさ」という観点で、 商品コンセプトを考えてみよう。 例えば、トイレットペーパーの芯に「くじ引き」のような 「当たり」を付けて、アイスクリームみたいに 「当たればもう一本」のような遊び心を付けても面白い。 紙が減っていくと同時に、ワクワク感を演出できる。 それと同時に、 「ハズレの芯を10本集めると、新品1ロールと交換できます!」 のようなキャンペーンを実施すれば、リピーターの確保にもつながるだろう。 成功のポイント : 価格で勝負するな!「新しい商品価値」で勝負せよ! さて、ここで1つ、私は重大なことを書き忘れている。それは、 「で、結局、どうすればWebサイトで儲かるのか?」 である。 例えば、胃薬のレビューサイトを作ったとして、 そのサイトで、胃薬の選び方や、各社製品の特徴などを、 徹底的に調べて、その情報を掲載したとする。 しかし、それだけでは金儲けにはつながらない。 仮に「胃薬のオンライン通販」をやったとしても、 それほど売上は上がらないだろう。 なぜなら、ネットユーザーの原則的心理は、 「店で買えるものは店で買いたい」からである。 つまり、 「調べるのはネット、買うのは実店舗」 である。 「ネットで調べて、店で買う」 と言ってもいい。なぜなら、 ・ 注文フォームの入力が面倒。 ・ 支払方法の問題。 ・ 送料の問題。 ・ 住所などの個人情報を教えたくない。 ・ 今すぐ欲しい。 ・ 実店舗ならポイントカードがある。 など、いろいろな「心理的障壁」があるからだ。 じゃあ、結局Webサイトだと儲からないのか? 物販は実店舗のほうが有利なのか? たしかに、物販は実店舗のほうが有利な面もあるが、 「儲かるWebサイト」とは「物販で儲かる」ことだけが全てじゃない。 実際に、単価が安くて粗利が低い商品(お菓子など)を販売する場合、 インターネット通販で採算を取るのは難しいだろう。 じゃあ、例えば「お菓子のレビューサイト」を作ったとして、 どうすれば、そのサイトを「金のなる木」に育てられるのか? 次回は、その具体的手法について説明する。 キーワードは「BtoB(企業間取引)」である。 続き → 07. 情報収集能力を極めて「BtoB」で儲けろ! |
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