07. 情報収集能力を極めて「BtoB」で儲けろ! |
薄利多売はネットショップには向かない。 この考え方は定説である。粗利が低すぎるからだ。 ネットショップは通信販売であるため、 受注、梱包、発送、代金回収 の4ステップが必須となるが、商品価格が安すぎると、 これらのコストがペイできない。 例えば、あなたがお菓子が大好きで、 「お菓子のレビューサイト」を作ったとする。 スナック菓子やチョコレート菓子など、 あらゆる商品を食べ比べて、その味や食感、 値段の比較、パッケージ、商品開発の裏話など、 「お菓子に関するあらゆる情報」を掲載したとする。 しかし、それだけでは儲かるWebサイトにはならない。 だからと言って、お菓子の通信販売を始めたところで、 とても利益が出せるようなビジネスではないことはお分かりだろう。 では、どうすればいいのか? まず、インターネットにおける電子商取引には、 1. BtoC(企業と消費者) 2. BtoB(企業と企業) 3. CtoC(消費者と消費者) の3種類が存在することを理解しなければならない。 それぞれを簡単に説明すると、 ------------------------------- 1. BtoC(企業と消費者) ------------------------------- Business to Consumer 企業が一般消費者に対して、商品やサービスを販売する。 ほとんどのオンラインショップがこれに該当する。 ・ 大手パソコンショップのオンライン通販 ・ 書籍やCDなどの通信販売(アマゾンなど) ・ 有料データのダウンロードサービス などが該当する。 ------------------------------- 2. BtoB(企業と企業) ------------------------------- Business to Business 企業が、他の企業に対して、商品やサービスを販売する。 市場規模はBtoCに比べると圧倒的に大きい。 ・ 自動車工場に納入する部品などを販売する。 ・ 印刷工場が、雑誌出版社から印刷業務を請け負う。 ・ 飲食チェーン店に対して、おしぼりの配送・回収サービスを行なう。 などが該当する。 ------------------------------- 3. CtoC(消費者と消費者) ------------------------------- Consumer to Consumer 一般消費者が、他の一般消費者に対して、商品やサービスを販売する。 個人同士の商取引はすべてこれに該当する。 ・ インターネットオークションによる販売 ・ 個人で不要なモノを売るリサイクルショップ ・ 掲示板で知り合った個人同士による直接売買 などが該当する。 さて、ここで注目しなければならないのは、 市場規模の大きさの違い である。 アクセンチュアの調査によると、 2005年の電子商取引における市場規模は、 BtoC が 13兆円 BtoB が 110兆円 と言われている。詳細を知りたい人は↓ http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/31/doc1857.htm に関連記事が載っているので読んでほしい。(新しいウインドウが開きます) つまり、BtoBの市場が圧倒的に大きいのである。 企業間取引では、その取引金額も膨大であるから、当然の結果である。 インターネットショップと言えば、誰もがBtoCつまり、 「一般消費者向けの商品を通信販売する」 というビジネスモデルを思い浮かべるだろう。 「インターネットでお店を開けば儲かる!」みたいな。 しかし、前述したように、粗利の低い商品の販売では、 BtoCで利益を出すのは難しいだろう。 そこで、BtoBに着目するのである。 具体的には、次のようなステップになる。 step1.ターゲットにする企業の業種を明確にする。 step2.その業種のビジネスをサポートするサイトを構築する。 step3.ターゲット(顧客)となる企業を募集する。 では、順番に見てみよう。 ------------------------------------------------- step1.ターゲットにする企業の業種を明確にする。 ------------------------------------------------- まず、あなたが「何時間でもアツく語れる話題」を探す。 つまり、それほどまでに「心から愛している分野」を見つけるのだ。 それを見つけるポイントは 「無償でも出来るぐらい好きか?」である。 逆に、あなた自身の大切な時間と労力を、 たくさん費やさなければならないし、 場合によっては、自分のポケットマネーを払う必要もあるだろう。 つまり、まずは趣味のレベルとして、心から楽しめるかどうか? が重要である。 では、それが見つかったと仮定して話を進めよう。 あなたは「お菓子が大好き」で、あらゆるメーカーのお菓子を食べ比べ、 お菓子に関する豊富な知識、そして情熱を持っているとする。 そこで、「お菓子のレビューサイト」を作ろうと考える。 スナック菓子、チョコレート菓子など、いろんなジャンル別に、 味や食感、価格やパッケージデザインなどを独自の視点で比較し、 面白いコメントと一緒に、ホームページに掲載するのだ。 ある程度のアクセスが増えてきたら、掲示板を開設して、 全国の「お菓子好きな人たち」との意見交換や交流を深める。 メルマガを発行するのも良いだろう。 そうすると、やがて、あなたのところには、 「お菓子に関するあらゆるリアルな情報」が集まるようになる。 「お菓子好きの人たち」とのコミュニティーが形成されるからだ。 さて、次にやるべきことは、 「ターゲットにする企業の業種を明確にする」 だが、もうお分かりだろう。 あなたがターゲットにするべき企業は、 製菓会社またはその関連企業 である。 ---------------------------------------------------------- step2.その業種のビジネスをサポートするサイトを構築する。 ---------------------------------------------------------- ターゲットの業種が決まったら、次にやるべきことは、 「その企業が、どんな情報やコミュニティーを欲しがっているか?」 を考えることだ。 製菓会社の場合、必ず「新商品の開発」という業務があるが、 「どんな情報やコミュニティーがあれば、 新商品の開発に役立つか?」 を考えてみるとよい。例えば、 ・ 「お菓子」に関するアンケートが効率良く収集できるような仕組み ・ 試作品を試食して評価してもらえるようなコミュニティー ・ 商品のアイデアやネーミングを募集できるようなネットワーク があれば、新商品の開発に役立つのではないだろうか? 製菓会社がアンケートを集めたり、サンプル試食会を実施するのにも、 それなりのコストが必要である。 つまり、その部分を「インターネット」というコミュニティーを利用して、 上手に効率良く、低コストで実施できる仕組みを作ってあげるのだ。 あなたは、既にstep1.で、 「お菓子好きの人たちが集まるコミュニティー」を形成している。 まずはその人数を増やし、コミュニティーを巨大化することを目指す。 そして、コミュニティーのメンバーがある程度増えたところで、 次のようなアンケートを実施してみる。 ・ 最近「美味しくない」と思ったお菓子は何ですか? ・ なぜそれを買ったのですか? ・ お菓子を買う場所は、主にどこですか?(コンビニ/スーパー/デパ地下・・・) ・ 今は売ってないけど「昔はよく食べていた」というお菓子は何ですか? ・ 来月「○○スナック」という新商品が発売されますが、ご存知ですか? このようなアンケートを集めるのは、 インターネットが最も得意とする分野だ。 全国から集めることができる。 しかも、あなたとアンケート回答者との間には、 既に「お菓子好きコミュニティー」という信頼関係が形成されているから、 無償でも率直な意見を回答してくれるに違いない。 非営利(趣味)の個人サイトならではの「強み」だ。 だから、企業が主催するアンケートのように、 「アンケートに答えると、抽選で○○を差し上げます!」 のような、無駄なコストをかける必要も無いのだ。 そして、そのアンケートで得た情報を集計して、 ホームページに掲載して、 さらに次のアンケートで情報を集め、また掲載する。 情報収集 → 掲載 → 情報収集 → 掲載 この作業を繰り返していくのだ。 すると、どんどん情報量が増えていくので、 サイトが栄えるし、アクセス数も増えていくだろう。 そうなると、やがて製菓会社も注目するようになる。 黙っていても、勝手に寄って来るのだ。 ------------------------------------------------- step3.ターゲット(顧客)となる企業を募集する。 ------------------------------------------------- ここまで来れば、あとは一気に募集をかけて「仕掛ける」のだ。 あなたのサイトに注目している製菓会社が増えたところで、 業務提携したい企業を見つけるのである。 ビジネスモデルとしては、 ■アンケート収集代行の有料サービス ・ 提携企業が欲しがる情報をアンケートで集める。 ・ アンケートで集めた情報を有料で販売する。 ・ 効果的なアンケートの質問事項を考えて企画する。 ■試食モニター募集代行の有料サービス ・ 提携企業から試作品の情報を仕入れ、コミュニティーに公開する。 ・ 「試食モニター」を募集し、意見レポートを提出させる。 ・ 意見レポートで得た情報を集計し、企業に有料販売する。 ■新商品アイデアやネーミング募集代行の有料サービス ・ 提携企業から、新商品の方向性やコンセプトをヒアリングする。 ・ そのコンセプトに合ったターゲット年齢層を絞ってアンケートを集める。 ・ アンケートで集めた情報を具体的に商品化するアイデアを提案する。 などが考えられる。 業務提携先を選ぶポイントとしては、 「有名な大手企業は避けること」である。 例えば、Googleで「製菓会社」と検索してみると、 約30,000件のヒットがある。 その中には、明治製菓やロッテなどの大企業も含まれるが、 そのような企業は既に自社内に「マーケティング部門」を 持っている可能性が高いので、業務提携は難しいだろう。 そこで、あまり聞いたことのない「無名の製菓会社」を探すのだ。 中小企業や有限会社の場合、 自社で「マーケティング部門」を持っていない企業も存在する。 つまり、「市場調査のノウハウ」や、 「顧客アンケートを収集して活用する仕組み」 を持っていない企業を狙うのだ。 ある意味では、 「マーケティング業務をアウトソーシングとして請け負う」 と言ってもいいだろう。 一般的に、モニター募集やネーミング募集などは、 新聞広告や雑誌広告など、「不特定多数が閲覧するメディア」 に掲載されることが多いが、掲載コストが高いという点と、 閲覧者の中にはもともとその商品に興味の無い人間が含まれている という点がデメリットとして挙げられる。 また、既にインターネットで「モニター募集専門」のサイトが存在しているが、 それらのほとんどは「モニターを募集すること」を目的として作られたサイトである。 つまり、そのようなサイトには「モニターになって小遣い稼ぎをすることが目的」 の人たちが集まることになる。つまり、その商品に興味が無くても、 適当に回答して、その見返りを期待するだけの人たちだ。 それに比べると、「お菓子好きが楽しく集まるサイト」のように、 非営利で個人的なコミュニティー内であれば、 低コストで精度の高い情報を効率良く収集できるはずである。 つまり、あなたのサイトの売りは「情報収集能力」である。 このように、「BtoB」という観点でサイトを構築すれば、 一般消費者に直接商品を販売しなくても、 儲かるビジネスモデルを作り出すことは可能だ。 「儲かるWebサイト」と言えば、誰もが ネットショップ(オンライン通販) を思い浮かべてしまうのだが、そこに大きな落とし穴がある。 それでもあなたは、BtoCでの通販をやりたいか? 110兆円規模の巨大な「BtoB市場」のほうが魅力的だとは思わないか? どちらのビジネスモデルを選ぶかは自由だが、どちらもそれなりに大変で難しい。 いずれにせよ、方法はたくさんある。視野を広く持つことが大切なのである。 成功のポイント : BtoBなら、情報収集能力の高いコミュニティーで勝負せよ! さて、BtoB にしても、BtoC にしても、アクセス数を増やす為には、 ある程度「宣伝に投資する」ことが欠かせない。 もし、お金を投資しなくても、あなたの労働力や、貴重な時間を 投資しなければ、絶対にアクセス数は増えない。 例えば、5万円の宣伝費をかけて、その結果、10万円の利益が 出せることが明確ならば、その広告は、かなり優良な投資対象と言える。 では、インターネット広告の宣伝効果を、客観的に分析するためには、 どうすればいいのだろうか? 詳しくは続きを読んで欲しい。 続き → 08. その客を連れて来るのに、いくら必要なのか? |
メール会員登録(無料) ひと儲けドットコムの更新情報を無料でお知らせしています。いつでも解除できます。 |
ホーム > マーケティング > このページのトップへ
Copyright (C) 2004 ひと儲けドットコム All Rights Reserved. お問合わせ | サイトマップ