09. 「儲けることへの罪悪感」を捨てる方法 |
まず金を儲けて、それを世の中のために使え! あらゆるビジネスの基本は、利益を出すことである。 しかし「お金を儲ける」という行為に抵抗を持っている個人は多い。 自分で店を持ったり、商売の経験がある自営業者なら、 「儲け」への執着は強いだろう。 しかし、世の多くのサラリーマンや従業員にとっては、 「自分自身が金を儲ける」こと自体に罪悪感を感じてしまうものだ。 「あいつは金の亡者だ」と罵られるのが怖くて、 「人生はお金じゃない」と自分に言い聞かせる。 そのくせ、 「給料が安い!ボーナスカットされた!残業代払え!」 と文句を言う。 金を儲けることに罪悪感を感じる人間が、 賃上げを要求することに罪悪感を感じないのは 矛盾しているのではないか? 何か新しいビジネスを始める時、そこには 「価格設定」という作業が必ず発生する。 自分が作り出した商品やサービスに 「いくらの値段を付けるか?」という問題だ。 「安売り競争は破滅への道だ」ということは何度も述べている。 だから、ただ単に他社より安くすればすむ話しではない。 つまり、自分なりの「付加価値」を付けて、 価格を高めていく方法を考えなければならないのだが、 その「付加価値」の値段をいくらにするのか? は自分自身が決めなければならない。 そのとき、自分の中で葛藤が起こる。 「もっと儲けたい」 VS 「ボッタクリすぎかな?」 という心理戦が繰り広げられる。 この戦いに打ち勝つための方法は1つしかない。 「金を儲けることへの罪悪感を捨てること」だ。 なんでも気軽に引き受けてしまう人がいる。 自分の時間と労力を他人に平気で無料提供する人たち。 それは商売人ではない。単なる「親切な人」で人生を終えることになる。 本気でビジネスを始めたいと思うなら、 まず1円でも多く金を儲けなければならない。 儲けが伴わない事業活動は「ボランティア」と呼ばれる。 「なぜボランティアに参加するのか?」 という質問に対して、 「世の中の役に立ちたいから」 と答える人がいるが、 じゃあ商売人は世の中の役に立っていないとでも言うのか? 商売で儲けた金を資本金にして法人化する。 その資金を使ってビジネスを拡大し、新たな市場と雇用を開拓する。 これぞ「世の中に役に立っている行為」と言わずして、何と言うのか? だからあなたも、金を儲けることへの罪悪感を捨てなければならない。 実は、この罪悪感を捨てるのは容易ではない。 幼少期、長い義務教育の中で教え込まれてきた道徳観を 変えなければならないからだ。 ボランティアがやりたければ、金を稼いだ後でも遅くない。 まずはビジネスを軌道に乗せ、多くの資金を手に入れたら、 余ったお金で慈善事業をやるなり、寄付をすればいい。 そのほうが、結果的に多くの人間を救うことができる。 経営者は、社員の生活を守る為に、利益を追求するのが義務である。 そしてあなた自身も、あなたの家族を守る為に、利益を追求しなければならない。 それは悪いことでもなんでもない。人間として正しい道なのだ。 なぜ我々は、あらゆる価格設定において 「出来るだけ安くしよう」と安直に考えてしまうのか? 安い = 良い という図式はもう通用しない。 価格設定に対する考え方の違いは、よく 「アメリカ型」と「ヨーロッパ型」という比較で説明される。 例えば、1,000円の商品を開発して販売したとする。 そこそこヒットしたら、 「よし、これを800円にして、もっと多くの人に買ってもらおう」 と考えるのが「アメリカ型」の価格設定だ。 大規模な設備投資と大量生産で原価率を下げることに全エネルギーを集中する。 それに対して、 「どうすれば、これが1,200円でも売れるようになるか?」 を考えるのが「ヨーロッパ型」の価格設定だ。 つまり、価格を下げるのではなく、 「今までよりも、もっと素晴らしい商品価値を付けて高く売ろう」 と考え、そのためのアイデアを搾り出すことに全エネルギーを集中する。 どちらかと言えば、アメリカ型は、 「体と力(体力)を使う肉体労働」なのに対して、 ヨーロッパ型は、 「知恵とアイデア(頭脳)を使う仕事」と言えるだろう。 一生懸命に頭を使うから、思いがけない斬新なアイデアが生まれる。 ハンドバッグや洋服などの高級ブランドがヨーロッパに多いのもうなずける。 戦後日本の高度経済成長期には、 アメリカ型の価格設定と大量生産が 時代にマッチしていたのだろう。 しかし、もうお分かりだと思うが、2000年を過ぎて、 モノが余る時代になり、人口もどんどん減っていく世の中で、 はたしていつまでアメリカ型が通用するのだろうか・・・ アメリカ型 = もっと安く大量に ヨーロッパ型 = もっと高く少量に あなたが、これからヨーロッパ型のビジネスで生き残りたいならば、 「価格を高く設定する」ことへの罪悪感を捨て、 体力を使わずに「頭脳」を使う仕事をしなければならない。 一般に「大変な仕事」と言えば、あなたはどんな仕事をイメージするだろうか? ・ 道路工事現場での厳しい肉体労働 ・ トラック運送業者の重い荷物の積み下ろし ・ ビルの清掃、窓拭き、大量のゴミの収集 このような仕事は、明らかに「大変そう」である。 誰が見ても「キツそうだ」というのが一目瞭然だ。 「体に汗をかく仕事」は、どれぐらい「頑張ったか」というのが 見た目で分かりやすい。 では、それに対して、 ・ 効率良く工事を進めるための仕組みやルールを考える ・ 配送料金システムを検討し、運送コストを下げる方法を考える ・ ビル管理会社と清掃契約を継続的に結ぶ方法を考える という仕事はどうか? このような「経営者」がやるべき仕事は、体を使わずに頭を使う。 つまり、脳に汗をかくのだ。 実は、「考える」という労働のほうが、体を使う労働よりも、 ずっと過酷である場合が多い。 なぜなら、体を使う労働は、その作業が終わって家に帰れば、 もうその労働からは完全に解放されるが、 考える労働の場合は、家に帰ってからも、食事中も、風呂に入っているときも、 寝る直前にも、ずっと頭からその仕事が離れないからだ。 しかも、「考える」という動作は、他人が外から見て分かる労働ではない。 だから、「あいつは何もやっていない」と思われる。 「頑張っていない」と思われる。 でも本人の頭の中では、常に悩み、葛藤し、試行錯誤しながら、 知恵を搾り出すという労働が行なわれているのだ。 もちろん、そのビジネスモデルを一旦作り上げてしまえば、 あとは勝手に動いてくれるから、あなたはもう働かなくてもよくなるだろう。 体に汗をかく肉体労働は、アルバイトを雇ってやらせればいい。 しかし、その仕組みを作り上げるために、 あなたはどれほどの「考える労働」をこなしてきたか? あなたが貰うべき報酬は、その「頭を使った労働」に対する報酬なのだ。 これからは、体を使って儲けるのではなく、頭を使って儲けなければならない。 「体に汗をかかずに儲けること」に対する罪悪感を捨てなければならない。 仕事を探すことより、仕事を作り出すことのほうが難しいし、頭を使う。 だから仕事を作り出すことが出来る人間には、もっと儲ける権利が与えられる。 もっと分かりやすく言えば、例えばあなたが女性で 「手っ取り早く大金を稼ぎたい」と思ったら、 風俗店で働くという方法を思いつくかもしれない。 しかしそれでは「体を使った労働」である。 だから、もっと稼ごうと思ったら、「頭を使った労働」に切り替えるべきだ。 例えば、自分で風俗店やデリバリーヘルスをオープンさせるという方法がある。 雇われる側から雇う側になるのだ。 もちろんそれを実行するためには、法律を学び、経営学を学び、 会社の作り方を勉強し、資金を集め、マーケティングについて 理解しなければならない。頭を使わなければならない。 そして、その時にあなたが実際に風俗嬢として働いていた経験が生きてくるのだ。 女の子を雇うときのコツも分かるだろうし、気持ちも理解できるだろう。 毎日男性客に接していたからこそ、斬新なアイデアで新サービスを思いつくかもしれない。 「自分には頭を使う労働は無理だ!」と思う人は、 これからも体を使って稼ぐ人生を選ぶしかないだろう。 むしろ、そっちのほうが楽かもしれない。何も考えなくていいからだ。 そして、頭を使った労働は、第三者から見ると 「あいつは働いていない、頑張っていない、体に汗をかいて苦労していない」 と思われがちだ。つまり「楽をしている」と思われるから、 「あいつは人を低賃金でこき使っている金の亡者だ!」 と罵られる。 しかしそれは間違いだ。なぜならそれは、 「朝から晩まで体を壊すまで奴隷のごとく肉体労働を頑張る」 という労働こそが、金持ちになる秘訣だ!と言っているのと同じだからだ。 でも現実は違う。 朝から晩まで時給1,000円で働いたとしても、絶対に金持ちにはなれない。 自分の時間を安く切り売りして、大切な人生を無駄に終わらせるだけだ。 そして、忘れてはならないのは、 あなたが時給1,000円で働いたとしたら、その労働力には、 実際には時給5,000円の価値があるということだ。 つまり、その差額の4,000円は、あなたの雇い主がピンハネしている という事実に気付かなければならない。 あなたは誰のために働くのか? あなたの人生は誰のための人生なのか? なぜあなたが儲けたらダメなのか? 他人を儲けさせるための仕事に意味があるのか? だから、あなたはもっと儲けなければならない。 もっと脳に汗をかいて、知恵とアイデアを搾り出し、 1円でも多く稼ぐ方法を考えなければならない。 お金を稼ぐことは素晴らしいことだ。 お金を稼ぐとことは悪いことではない。 稼いだお金を「どのように使うか?」が重要なのである。 だから、会社を作り、従業員を雇い、世の中の発展のために使えばいい。 そうすれば、誰もあなたを責めたりはしない。 成功のポイント : お金を儲けることは素晴らしいことだ! さて、ここで述べたことは、ある意味では 「経営者としての心構え」とも呼べる。 しかし、一般のサラリーマン(従業員)としての生活では、 このような経営者的視点や考え方を学ぶ機会は少ない。 特に、規模の大きな会社の場合、日常の業務において、 社長と一般従業員が会話をする機会は無いだろうし、 たとえ会話出来たとしても、社交辞令的な一般論で終わってしまうから、 本音を聞き出すことなど不可能に近い。 では、経営者が知るべき「もっとコアでディープな泥臭い情報」を 仕入れるためには、どうすればいいのか? それは、 ビジネス書を読む しかない。 若くして独立した社長が書いている本や、 数多くの経営者に接した経験豊かなコンサルタントのノウハウ本など、 優れたビジネス書は、本屋に行けばたくさん手に入る。 彼らのほとんどは「本音で、泥臭く、かっこ悪い話」も一切隠さずに、 すべてをさらけ出して、その本に全エネルギーとノウハウを詰め込んでいる。 だから面白い。面白いから売れる。 ・・・と、偉そうに語っている私自身も、昔はビジネス書など一切読まなかった。 そのような本はどうせ面白くないし、読む価値が無いと思っていた。 例えば「○○で成功して金持ちになる方法」のようなたぐいの本は、 「胡散臭い」 「単なる自慢話」 「どうせ俺には関係無い」 「お前らは運が良かっただけだ」 「印税を儲けたいだけだろ!」 と思っていた。 でも今は違う。ハリーポッターよりも少年ジャンプよりも、 ビジネス書のほうが断然に面白い。 今では「フィクションこそ読む価値の無い本だ」とも思える。 あなたが本気で「儲かるWebサイト」を作りたいのならば、 もっとビジネス書を読むべきだ。それはHTMLの勉強よりも大切だ。 なぜなら、優れたビジネス書は、 あなたの人生を変えるほどのインパクトと共に、 驚くべきメリットを与えてくれるからだ。 では、そのメリットとは何なのか? 続き → 10. ビジネス書が「迷い」を「確信」に変える! |
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