02. カリギュラ効果の威力 |
あなたは、密かに好意を持っている異性から、 「手紙をあずかってほしい」と頼まれたときに、 絶対に中を見ちゃダメだからねっ!! て言われたら、どう思うだろうか? このように、 禁止されると、ついその行為をやってみたくなる心理 を、心理学用語で カリギュラ効果 と呼ぶ。 この手法は、すでにテレビCMやチラシ、広告のキャッチコピー などで幅広く活用されている。特にテレビ番組においては、 モザイクや「ピー音」でわざと隠すのも、カリギュラ効果の一種と言える。 また、雑誌の袋とじも、カリギュラ効果を利用した例の1つだ。 では、この効果をインターネットに応用するとどうなるのか? 例えば、口コミならぬネットコミという言葉があるが、 あなたが掲示板などで広めたい情報について、わざと 絶対に人に教えないで下さい。 と付け加えれば、勝手に広まっていく。 噂が広がる原理と同じだ。 カリギュラ効果のポイントは「禁止」であり、 それは「断る」という考え方に発展させることができる。 見ることを禁止されている ⇒ 見せて!と頼んでも断られる。 買うことを禁止されている ⇒ 買いたい!と頼んでも断られる。 つまり、この考え方を商売に適用するならば、 「買って下さい!」と言うよりも「買わないで下さい!」 と言うほうが、買ってくれる確率が高くなるということになる。 例えば、あなたが買う側の場合、 買って下さい!買って下さい!買って下さい! 絶対にお得です!お得です!お得です! を連発しているようなサイトから買いたいと思うか? このようなキャッチコピーはバブル期には効いたが、 今はもうダメだ。古い手法なのである。 では、どうすればいいのか? まず原則として、カリギュラ効果の視点で考える、つまり、 禁止する、断る、という観点でキャッチコピーを考えるのだが、 それだけでは足りない。それプラス、 なぜ禁止するのか?という明確な理由 を付け加えなければならない。 もしこの理由が無いと、 買わないで下さい!買わないで下さい!買わないで下さい! 絶対に損します!損します!損します! となってしまう。これでは何の効果も無い。本当に誰も買わなくなる。 なぜ買ったらダメなのか?なぜ損するのか? その理由が分からないからだ。 もっと具体的に考えると、例えば、 自宅用のフィットネスまたはトレーニング器具 を販売するネットショップを想定してみる。 あなたがこのネットショップのオーナーだとして、 商品説明のキャッチコピーを考えてみるとどうなるか? ■ケース1 : 一般的な宣伝文句 ------------------------------------------------------- この器具を使うと健康になれます!スリムになれます! 今がチャンス!お買い得です!ぜひお買い求め下さい! ------------------------------------------------------- ■ケース2 : カリギュラ効果を使った宣伝文句 ------------------------------------------------------- 本気でトレーニングする意志の無い人は絶対に買わないで下さい。 買っても使わなければ何の役にも立ちません。お金の無駄です。 ------------------------------------------------------- 多くのネットショップが、ケース1のようなありふれたコピーに なりがちだが、かと言って、ケース2のようなコピーばかり使えば いいという単純な問題でもない。 よって、このような場合は、ケース1と2を上手く組み合わせる手法 が有効である。具体的には、次のようになる。 ■ケース3 : ケース1と2を組み合わせる手法 ------------------------------------------------------- この器具は、従来の同型機種に比べ、同じ時間でのトレーニング 効果が2倍になり、さらに折りたたみ機能が付いたので、収納にも 困りません。しかも、今月中なら送料無料です! ただし、次のような人には、購入をお奨めできません。 ・ 本気でトレーニングする意志の無い人や、続かない人。 ・ この器具を買うだけで痩せられると思っている他力本願な人。 ・ 器具の使い方や有効性を十分に理解していない人。 このような人は、お金の無駄になりますので、買わないで下さい。 でも、もしあなたが本気で健康になりたい!痩せたい! という強い意志をお持ちなら、この器具は必ずあなたのお役に 立てると確信しています!それだけ自信を持ってお奨めする商品です! ------------------------------------------------------- このように、ケース3では、以下の3つのステップに沿ってコピーを 組み立てている。 (1)お奨めです!(買って下さい!お得です!) (2)でもお奨めできない人もいます!(買わないで下さい!損します!) (3)でもそれ以外の人になら、お奨めです!(買って下さい!お得です!) こうすれば、「本当に必要な人にだけ買って欲しい」という 売り手の意志が伝わるので、買う側も「押し売りされた!買わされた!」 という心理的抵抗が無くなるから買いやすくなる。 このように、カリギュラ効果を上手く応用すれば、 商品説明のキャッチコピーや、宣伝文の反応率を 大幅に高めることも可能である。 しかも、この手法は、商品の種類に関係なく、あらゆる商材や サービスに応用できるのだ。 あとは、いろんなパターンで試してみて、アクセス数をカウントしながら、 商品の販売数を計測して、その効果を客観的に分析、計測することで、 より反応率の高いキャッチコピーを生み出すことができるようになる。 成功のポイント : カリギュラ効果は広告の反応率を高める。 さて、次の心理学的セオリーは、 「自己確認と自己拡大」について。 この手法は、もちろんインターネットコミュニケーションにも使えるが、 それ以外にも、日常生活における、友人関係、上司との関係、そして、 恋人との関係など、あらゆる人間関係でもかなり応用できるノウハウだ。 では、自己確認と自己拡大、一体どんな違いがあるのか? そして、それを人間関係にどう応用すればいいのか? 続き → 03. 自己確認より自己拡大で攻めろ! |
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