自己確認より自己拡大 - インターネット心理学

03. 自己確認より自己拡大で攻めろ！

例題１．

あなたはスケベな３０代の課長（男性）である。三日前に、
あなたの職場に松嶋菜々子風の超美人系女子社員が入社してきた！
これはチャンスだ！でもまだ一度も声をかけていない。

さて、なんて声をかける？

（１）君って美人だね！モテるでしょ？

（２）君が来てから職場が明るくなったよ！

（３）仕事が早いね！

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…しばらく考えてみてほしい。

ちゃんと考えた？

【解答】

人間には、「自己確認」と「自己拡大」という意識があり、
この意識は、外部からの要因、具体的には、他人や第三者
からの言葉によって形成される。

自己確認とは、

自分が既に認識（自覚）していることを再確認する

ということ。例えば、

自分で頭が良いと思っている人が
「君って頭がいいね！」と褒められる。

自分でスポーツ万能だと思っている人が
「あなたって運動神経抜群ね！」と褒められる。

このような褒め言葉は、自己確認として認識されるので、
嬉しくないわけじゃないが、すでに多くの人から聞かされている
言葉なので、「またか・・・」と本人は思うだけ。

それに対して、自己拡大とは、

自分ではまだ認識（自覚）していない長所に気付く

ということ。
つまり、自分でも予想外の意外なところを褒められると、
それは自己拡大として認識されるのだ。

さて、冒頭の例題１．の解答。

答えはもちろん、

（３）仕事が早いね！

である。これこそが自己拡大を促す言葉なのだ。

（１）や（２）でも、悪い気はしないと思うが、そのような言葉は、
すでに他の多くの人間からも聞かされているはずだし、
単なる自己確認でしかないから、インパクトも無い。

それに対して、（３）は外観以外のところを褒めているので、
「私の内面もちゃんと見てくれてるんだ！」という喜びにつながる
効果も期待できる。

では、なぜ人は自己確認よりも自己拡大のほうが気持ちがいいと
思うのだろうか？

それは、人は誰でも「未来への可能性」を信じているからである。

自分にはもっと才能がある！まだまだ可能性がある！
私の未来は明るい！もっと素敵な人生が待っている！

自己拡大は、このような将来への希望を膨らませてくれるのだ。
だから気持ちがいいのである。

では、この考え方を、インターネットコミュニケーションに
応用するとどうなるのか？

例えばあなたが、インターネットで知り合った人と、
仲良くなりたいとする。

その目的は、

・メル友になりたい！
・仲良くなって直接会いたい！
・自分のホームページも見てもらって、相互リンクしてもらいたい！

などいろいろあると思うが、インターネットにおいても、

相手に気に入られる方法

を知っておくと、かなり有利になる場合が多い。
そこで、自己拡大の手法を使うのだ。

相手に気に入られたい場合、まず相手のホームページを褒める
ことが大切だ。その褒め言葉を掲示板に書き込んであげたり、
メールで直接送ったりするのだ。

しかし、例えばデザインがカッコいいサイトの管理者に

「とてもカッコいいデザインですね！」

のように褒めても、これでは自己確認になってしまうので
印象は薄い。だから、もっと他の要素から、褒める部分を
探すのだ。例えば、

「文章がとてもやさしい感じがしました。」

とか

「読みやすくて面白い内容ですね！」

などだ。

多くの人はデザインのカッコよさに目がいくところを、
あえてそこには触れずに、それ以外のところで褒める！
これこそが、相手の自己拡大を促す、最も効果的な褒め方なのである。

成功のポイント：相手を褒めるときには自己拡大を意識せよ！

さて、次の心理学的セオリーは、「社会的手抜き」である。
実は、あなたも私も、必ずこの「社会的手抜き」を経験している。
おそらく小学生時代には既に経験しているはずだ。

続き → 04. 脅威の集団心理「社会的手抜き」とは？

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