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 05.  現実を知れ!ネットは夢の空間ではない!


ネットショップは目的ではなく手段!


まず、以下の質問に Yes か No で答えてほしい。

Q1.ネットショップには全国からお客さんが来てくれる Yes / No

Q2.バナー広告を出せばアクセス数は確実に伸びる Yes / No

Q3.アクセス数に比例して売り上げが伸びる Yes / No

Q4.お客は自分の店を検索エンジンで探してくれる Yes / No

Q5.これからはインターネットショッピングが主流だ Yes / No



さて、あなたはどう答えるだろうか?








答えは全て No だ。

1つでも Yes があるなら、あなたはインターネットを甘く見すぎている
では、どの点が甘いのか?、各質問ごとに解説していく。


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Q1.ネットショップには全国からお客さんが来てくれる → No
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まず、あなたが英語に詳しく、英語サイトが作れて、
かつグローバルなビジネス展開を考えていない限り、
アクセスは国内だけだと考えて間違いない。

そして、すでに国内だけでも膨大なサイトが存在することを知る必要がある。

総務省のデータによると、
■インターネット人口は6942万人、人口普及率は54.5% (平成14年末)
■サイト数3600万以上、ページ数は30億以上

と言われており、今も増え続けている。

■補足説明
・ 日本のインターネット人口はアメリカに次いで世界第二位。
・ 2005年には8720万人に増加 (総務省予測)


さて、ここで
「インターネット人口が増えれば客も増える」
「客が増えればネットショップは儲かる!」
と考えたら破滅への道だ。

10人中5番目の成績の生徒は、1000人中なら500番目でしかない。
絶対数が増えても、相対的な順位は変わらないのだ。

あなたがネットショップで勝ちたければ、相対順位を上げなければ、
いくらネット人口が増えても、アクセスは増えるはずが無い。
ネット人口が増えると言うことは、ネットショップを経営する人口も増えるからだ。

客も増えるが、ライバルも増える。


では、実店舗とネットショップを比較してみるとどうか?

・ 土地や店舗はいらない。誰でも簡単に開設できる
・ 交通費や手間もなく、全国から気軽に来店してもらえる。
・ 掲示板で火が付き、口コミ(ネットコミ)で爆発的に広がるかも。

と安直に考えるのが普通だが、
土地や店舗がいらないということは、つまり

人里離れた超ド田舎の山奥の安い土地に店を開く

のと同じである。でも普通はそんなところに店は建てない。
六本木渋谷の駅前に建てたほうが集客力は高い。

現実世界での交通量は、ネット世界ではアクセス数だ。
Yahoo!Googleは駅前一等地なのだ。だから莫大な広告料が取れる。


無料の土地を一等地に変えるためには、

・ 高速道路を作る
・ 名所や観光地を作る
・ 温泉を掘り当てる

など、莫大な労力と資金、宣伝費が必要なのだから、
それはインターネットの世界でも同じ。


成功のポイント : そんな簡単に一等地が手に入るはずがないことを理解する。





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Q2.バナー広告を出せばアクセス数は確実に伸びる → No
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まず、バナー広告のクリック率をご存知だろうか?

0.5%

つまり、
1000 で 5
10000 で 50
である。

だから、一日に一万アクセスもある超人気サイトのトップにバナーを載せても、
そのバナーをクリックするのは50人しかいない。

さらに、その50人中、
実際に購入までたどり着くのは一人か二人である。


これが現実の数字だ。
ただし、これはバナー広告に限ったことではない。
新聞の折込チラシやビラ配りなども同じような結果が報告されている。

もちろん、広告のキャッチコピーや掲載場所を上手く考えれば、
もっとクリック率を高めることは可能だろう。

ただし、その広告費と実際の売り上げを比較した場合、
はっきり言って「割りに合わない!」と思ったほうが正しい。


特に、バナー広告やポップアップ広告、メルマガ広告などは、
ただ闇雲に載せまくっても、まったく相手にされない
ユーザーの心理や欲求を的確に見抜いて、ピンポイントで攻めなければならない。

その点では、一般のビラ撒きやティッシュ配りのように、
「数打てば当たる!」という単純なものではないので、
それを理解せずにバラ撒くと、かなり嫌われる傾向がある。


郵便のダイレクトメールより、
迷惑メールのほうがムカツクでしょ?


成功のポイント : インターネット広告は、現実のチラシ配りより難しいと認識せよ!





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Q3.アクセス数に比例して売り上げが伸びる → No
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2ちゃんねるは儲かっていない。

この事実から分かるように、
アクセス数と売り上げは全く切り離して考えなければ
痛い目にあう。

逆に、アクセスが増えることは、サーバーへの負荷が増すことになり、
ページレスポンスが遅くなり、ユーザーにとっては使いづらくなる。

高い維持費をかけて高性能サーバーを借りるつもりなら、
赤字になる事態は絶対に避けなければならない。


単にアクセス数を増やすだけの手法としては、

・ 懸賞付きアンケートなどのエサをばらまく
無料○○などの特典を増やす
・ とにかく広告を出しまくる(バナー、メルマガ、掲示板)
迷惑メールなどの悪徳手法を使う

などあるが、最近のユーザーは賢くなっており、

無料や懸賞は当たり前、
それだけを目当てにアクセスする


というケースが多い。



ある大手保険会社が、
新規顧客データ(名前、住所、電話)を集めるため、
ネット上で懸賞付きアンケートを大々的に実施した。
大量のメールアドレス、氏名、住所、年齢などの顧客データを
獲得するのが目的だ。

で、そうやって入手したリストを元に
「新規保険加入のお知らせ」というたぐいのダイレクトメール
一斉に郵送したが、レスポンスは0.1%以下だったという。


実際に大手企業はこのケースに陥りやすい。
インターネットユーザの特異性を理解できていなかった結果だ。

売り上げを伸ばすためには、単にアクセスを伸ばすだけではダメ。

少ないアクセスでも、何度も来てくれる人を大切に育て、ファンにする。
そして、強力なリピーターとなってもらい、口コミで広めてもらう。
この姿勢が基本だ。

インターネットは1クリックでライバルサイトに飛ばれてしまう、
つまりみんな浮気性なのだ。

いかに自分のサイトに引き付けるか、
じわじわと長い時間をかけて顧客と仲良くなるしかない。


成功のポイント :
少ないアクセスを大切に育てる。一気に大量に集めたアクセスでは長続きしない。






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Q4.お客は自分の店を検索エンジンで探してくれる → No
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SEOという言葉を知っているだろうか?

Search Engine Optimization


「どうすれば検索エンジンの上位に表示されるか?」
という観点でサイトを構築する。
検索エンジン最適化 と言われる手法だ。

日本ではまだ比較的新しい分野だが、
すでにこのSEO業務を専門とする業者や、
各種関連書籍も出版されている。

無駄なバナー広告に金をかけるより、検索エンジン対策に金をかけたほうが、
よっぽど対投資効果が高いことに、各企業が気づき始めたからだろう。


裏付けデータから見ても
■インターネットユーザーの80%以上が、検索エンジン経由で目的のサイトに辿り着く
■バナー経由より検索エンジン経由のほうが、商品購入率が高い
という結果が出ており、SEOは今後さらに期待される分野だ。

実際には、SEOは Google対策 である。
最強の検索エンジンと言われるGoogleの特性を理解することから始まる。


「ああ、metaタグを使えばいいんでしょ?」
と思ったあなたは、まだSEOをまったく理解出来ていない

Googleの検索ロジックも日々研究され進化し続けている。
もうmetaタグはほとんど意味をなさなくなっているのが現状だ。
でなければ、metaタグにとりあえずキーワードを大量に埋め込むという
アホな行為が横行するだけだからだ。


SEOの具体的な例を紹介すると

タイトルは各ページ毎に変える
フレームは絶対に使わない
見出しタグを正しく活用する
相互リンクはバナーよりテキスト
・ 画像のalt属性を必ず付ける

などいろいろあるが、これらはSEOの基本であり、
今後はもっと戦略的なSEOが求めれられる。

と言っても、いきなりSEOの全てを理解するのは無理だが、
少なくともサイトの制作や更新において、SEOを意識するかしないかでは、
その完成度に大きな違いが出ることは言うまでも無い。


成功のポイント : 検索エンジン対策の重要性を常に意識してサイトを作れ!





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Q5.これからはインターネットショッピングが主流だ → No
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例えば「冷蔵庫」について、
マニアックなほど熱く語っている個人サイトがあるとする。

・ 買う前に読め!メーカ別新機能徹底比較!
・ こんなに違うの?サイズ&メーカー別電気代のふしぎ
・ なぜマズイのか?おいしい氷の作り方
・ 脱臭に効く!お手軽アイテムあれこれ
・ 庫内の整理整頓グッズは100円ショップで手に入れろ!
・ 一人暮らしに最適な容量とは?デザイン重視のあなたに


これから冷蔵庫を買おうと思っている人なら、
ぜひ読んでみたくなる魅力的な記事だ。

しかし、もしこのサイトで冷蔵庫のオンライン販売をやっていたとしたら、
あなたはこのサイトで買うだろうか?

私なら買わない。近所の量販店(ビックカメラやヤマダ電機)で買う。
つまり「ネットで調べて店で買う」という流れだ。

これは、「購入」という観点で見ると、近所の量販店で買える商品なら、
わざわざネットで買う必要性を感じないからである。

・ 送料や決済方法、信頼性の問題
・ 量販店はポイントが付いてお得
・ 実物を触って確かめたい

などの心理も関係する。

つまり、ネットの情報は「調べる」ための要素であり、
その商品がそのサイトでしか手に入らないような特殊なモノで無い限り、
やはり購入には抵抗があるのが現状だ。

だから、もしあなたのネットショップで扱う商品が、
どこでも買えるような商品なら、
価格以外の大きなメリットを生み出せないと成功は難しい。

大切なのは「価格以外」という観点だ。
価格を下げるだけでは絶対にネットユーザーの心は掴めない。

安い = 怪しいルートニセモノ?
という疑いを招くだけだ。
安売り競争では絶対に大手に勝てないということを認識しよう。



では、どうすればいいのか?


例えば冷蔵庫の場合、量販店でも買えるような商品を扱うのではなく、

・ この斬新なデザイン、ヤマダ電機では見たことがない!
・ 一人暮らしに最適なサイズで音も静かなオシャレ系!
・ 古き良き60年代アメリカを彷彿とさせるスタイル!


のように、「一人暮らしの学生やOL」
ターゲットを絞るなどの

独自性

を打ち出すほうが効果的と言える。

その場合、多少価格は高めに設定しても、
「ここでしか買えない!」という価値があれば売れる。

「自分で探せば見つかるかもしれないが、
探すのが面倒だからここで買っちゃおう。
(ちょっと高いけどまぁいいか!)」


という心理が影響するのだ。


成功のポイント : 「やっぱり店で買えるものは店で買いたい」という心理を理解する。




以上、Q1からQ5までお読みいただければ、
ネットショップの厳しさを具体的にイメージしてもらえたと思う。

『それでもネットショップを開きたい!』

というあなたは、もしかしたら
ネットショップを持つこと自体が「目的」になっているのではないか?

・ 結婚したい!
・ 彼女が欲しい!
・ ノートPCでモバイルがしたい!

これらのケースは、それ自体が「目的」になってしまっている。
でも、それらは「手段」であり、
「目的」は別にあるということを忘れてはならない。

・ お互いに助け合いながら、この人と一緒に子供を育てたいから結婚する。
・ 社長令嬢なので上手くいけば逆タマに乗れるかもしれないから付き合う。
・ 外出先でもメールをチェックしなければならないからモバイルする。


だから、ネットショップで何がしたいのか?
それは、ネットショップでなければ出来ないことなのか?
ということを、もう一度考えて欲しい。

もしかしたら、ネットショップに手を出すよりは、
すでに開店している実店舗を大きくする案を考えた方が、
よっぽど利益になるかもしれないからだ。


・ 今どきホームページぐらい持ってないとね!
・ ネットショップでオンライン決済って、なんだかカッコいい!

この程度の動機なら「趣味」としてやるべきだろう。
もちろん趣味だから利益など出るはずがない。


成功のポイント : ネットショップの目的を見失うな!


続き → 06. 儲けたければ目先の利益は追うな!
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