Ｗｅｂサーバーが落ちる原因とは？

03. サーバーが落ちるってどういうこと？

Ｗｅｂサーバー繋がらなければただの箱

さて、第１頁と第２頁では、
パソコンさえあれば、Ｗｅｂサーバーは誰にでも作ることができる
と述べた。

しかし、Ｗｅｂサーバーを作ることはできても、
そのＷｅｂサーバーを運用していくためには、
もっといろいろなことを考慮し準備しなければ上手くいかない。

『運用って言っても、ただパソコンの電源を
入れっぱなしておけばいいんでしょ？』

と思っている人は、まだまだ実運用の厳しさ、難しさに気付いていない。

よく、

・サーバーが落ちる
・混んでいる
・遅い
・反応が無い

などの状況に陥るサイトがあるが、
これらすべてがＷｅｂサーバーの性能的原因によるものではない。

むしろ環境的原因によるものが大きいのだ。

前回、Ｗｅｂサーバーがあなたの家であり、
ディレクトリ（フォルダ）があなたの家の各部屋である、
ということは説明した。

そして、グローバルＩＰアドレスを取得してアパッチを起動するということは、
あなたの家の住所を全世界に公表して、

「いつでも誰でもかかって来い！」と喧嘩を売ることだ！

というのも述べた。

でも、はたしてそれだけで、
多くのチンピラがあなたの家に押しかけるだろうか？

あなたの家に、全国のチンピラが押しかけるためには、
いろんな電車を乗り継ぎ、駅からは歩いて来るだろう。

でも、あなたの家が駅から徒歩１時間だとしたら？
途中であきらめて引き返すチンピラもいるかもしれない。

インターネットでも同じことだ。
あなたの自宅や自社オフィスに、どんなに高性能なＷｅｂサーバーを
置いたとしても、そのＷｅｂサーバーまで辿り着くための回線や
バックボーンが細ければ（速度が遅ければ）意味が無い。

「交通が不便なところには、人は集まらない」

ようするに、回線速度やバックボーンの太さも重要なのだ。

だから、自前のＷｅｂサーバーを構築するつもりの人は、
今よりもっと高速な専用線などを引けるように、
通信事業者と交渉し、工事しなければならない。

もちろん、Ｗｅｂサーバー自身のハード的なスペックを上げることも重要だ。
ＣＰＵ、メモリ、ハードディスク、電源管理など。
特に、電源管理については・・・

「もし停電になったら・・・ごめんなさい。で済むか？」

『ページを表示できません・・・』
『ページを表示できません・・・』
『ページを表示できません・・・』

・・・なんだ、このサイト、無くなったのか。
・・・・・この会社、潰れたのか！？

そして、せっかく「お気に入り」に登録されてたのに、
削除されてしまう。。。

この状況、かなりヤバイでしょ？

そんなの電力会社が悪い！って人のせいにしたところで意味はない。
せっかくあなたのホームページにアクセスしてくれた
たくさんの訪問者が去っていく事実に変わりは無い。

そして、アクセス数が増えれば増えるほど、
それに耐えうる十分なＣＰＵ、メモリを積んでいなければ、
サーバー自体が固まってしまうこともあり得る。

Ｗｅｂサーバーなんて、所詮パソコンなのだから、
「簡単に固まる」と思ったほうがいい。
もちろんＯＳの性能にもよるけど。

もしあなた自身が貧弱で、すぐボコボコにされてしまったら、
もう誰もあなたを相手にするチンピラはいなくなる。

だから、自分の体を鍛えると同時に、
１人でも多くのチンピラを呼び寄せるように
交通の便利を良くしなければならないのだ。

つまり、Ｗｅｂサーバー選びは、
性能だけで選んでもいけないし、環境だけで選んでもいけない。
その両方のバランスが大切なのだ。

ちなみに、私が仕事で関わった通信事業者用サーバーの場合、
専用のサーバーセンタービルを構え、電源管理はもちろん、耐震管理、
温度管理、入局管理（セキュリティーカードによる入室規制）を徹底している。

そして、サーバー状態監視システムで２４時間監視、
かつ、全サーバーが２重化されているため、もしメインサーバーが落ちても、
すぐにサブ（予備）に自動的に切り替わる仕組みになっている。

そこまでやっているから、絶対と言っていいほど「落ちない」のだが、
その価格は驚くほど高い。サーバー１台で、都心に家が建つほどの値段だ。
それでも、毎日数百万人を相手にしているサーバーだから、
もし落ちたときの損害を考えれば、安いものかもしれない。

・・・と言っても、よほど大きなビジネスを考えていない限り、
やはり最初は「安いサーバーで十分！」と思うかもしれない。

しかし、安易に価格の安さだけで選ぶと、とんでもないことになる。
「安物買いの銭失い」になる可能性は大だ。

Ｗｅｂサーバーの選定と言っても、

・プロバイダの無料スペース
・共有レンタルサーバー（バーチャルホスティング）
・占有レンタルサーバー
・ハウジング
・自前で構築する

など、いろいろな選択肢があるので、
どれが最適か？は一概に言えない。

大切なのは、

『あなたがこれから始めようとしているビジネスモデル』

に最も最適な方法を選ぶ為の「基礎知識」を、
あなた自身が身に付けることだ。

正しい判断基準を理解し、正しい選択をして欲しい。

成功のポイント：サーバー選びは奥が深いことを認識せよ！

さて、次回は「失敗しないＷｅｂサーバーの選び方」について具体的に説明する。
これを読めば、もう粗悪なサーバーを借りて後悔する心配は無くなるだろう。

続き → 04. サーバー選びで失敗しないコツ

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